風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

ココアと私とカリウムと


以前、庭仕事をして陽に当たりすぎて、眩暈が酷かった時に、ココアを二日ばかり続けて飲んで治ったということがあった。この時は、陽に当たって亜鉛や銅が欠乏したためだと思っていた。最近カリウムについて考えていて(もちろん銅や亜鉛も関係していたとは思うが)、陽に当たって脱水状態になっていたのではないか、と思い直した。ココアに多く含まれているカリウムが効いたのだ。
陽に当たって細胞内が脱水状態になっていた。ココアには含硫アミノ酸システインも多い。ココアのカリウムシステインの硫黄によって無機のカリウムが造られ細胞外に留まったために、水分が細胞内に引き込まれて脱水状態を免れたのではないだろうか。

このように考えると、エジプトでピラミッド建設に従事していた人々がニンニクの多食で重労働に耐えたということに合点がいく。ニンニクに多く含まれるイオウ化合物の硫黄とカリウムで出来た無機のカリウムによって細胞内の水分を保ち、日射病から守られていたと考えられるように思う。

B.C.1600年エジプトでピラミッド建設労働者がタマネギとニンニクが少ないことで暴動を起こしている。当時はアメーバ赤痢の予防にもなっていた。(廣部千恵子=著『新聖書植物図鑑』(教文館)より)


夫が心不全で入院した時も、私自身に眩暈が少しあった。そしてこの時は、足の具合も悪かった。自己診断で静脈炎ではないだろうか、と考えていた。「それなら、銅や亜鉛が必要だろう」と考えていたが、ココアを飲む気にはならなかった。眩暈のことを娘に話すと、「ココアを飲めば」と言う。ココアは甘いイメージがあって、「飲みたい気がしない」というと、「それなら砂糖を入れないで作ったら」というので、甘くないココアを作って飲んだのだった。しばらくして眩暈はしなくなった。静脈炎らしいものも消えていた。

この時は、私も夫と同じく血糖値が高くなっていただろう。ストレスで亜鉛も不足しインスリンばかりが過剰分泌している状態だったのではないだろうか?
私は診察をしてもらったわけでもなく診断もくだされず入院もしなかったが、おそらく軽度ではあっても高血糖になっていたに違いない。そして、インスリンの影響で血中ナトリウム濃度が上がっていただろう。そこに甘い物をさらに摂れば、インスリンがさらに分泌されてますます良くなかった。
砂糖を入れないココアを飲むことで、血中カリウム濃度が上がりナトリウムとのバランスが取れ、細胞内外の水分量が調整されたと考えられる。


溝口徹=著『「脳の栄養不足」が老化を早める!』には、以下のように記されている。

 糖化は、おもに血液中に存在するブドウ糖が、たんぱく質や脂質などと結合する反応だ。…。活性酸素を消去するスカベンジャーの多くは、…などの酵素である。これらの酵素たんぱく質であり、容易に糖化の影響を受けてしまう。糖化したスカベンジャーは、活性酸素を消去する能力がなくなり、結果として体内の活性酸素が増えてしまうのだ。
 ところが、活性酸素を消去する主役であるSODの糖化の問題は、それだけではない。SODは活性中心に銅を含んでいる。糖化したSODは、その構造が失われてしまうため、中心におさまっていた銅が表面に出てくる。表面に出てきてしまった銅は、イオンとして存在し、次々とフリーラジカルを産生し続けるフェトン反応の引き金になってしまうのだ。
 つまり、活性酸素を消去するはずの酵素が糖化することによって、大量の活性酸素がつくり出される悪循環を引き起こしてしまうのであるーここに糖化の怖さがある。(溝口徹=著『「脳の栄養不足」が老化を早める!』より)

私の静脈炎らしきものは、この糖化と関係していたと思われる。だから、砂糖を入れた甘いココアは飲む気にならなかったのだ。


この記事は、『しかし、カリウムが増えすぎると・・』に続く予定。