風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

時雨闇に

「見捨てよ」と言はんばかりの対応におほどかな友の怒りてをりぬ
快く食事をさせて寝かしつくその後救急車(くるま)を呼びしと伝ふ
同じ階の父の近くに母入るを父には内緒にしてゐると云ふ
   父が病に倒れるまで自宅で父が母を看る老老介護だった
聞き知らば母の世話しにゆくだらう 父には内緒 いつまで・・・
父の娘(こ)の父を思へる心のみ膨らみゆきてなすすべのなし

知っていたのか!「家内を頼む」看護師に言葉遺して逝きたりと云ふ


私達はどんなに頑張っても無力な中にいるのだと思う。
私達は、こうしてやれば良かった、ああすれば良かった、最期くらい優しい言葉をかけてやれば良かったと、どうしても考えてしまう。けれど私自身の体験から言えば、最後には、全てのことは神様の最善だったのだと納得させていただく時が、必ず来る。
エス様は無力な赤ん坊となって来て下さり、十字架上で私達の無力を味わい尽くして下さった。ここに慰めがある。

あなたがたは、幼な子が布にくるまって飼葉おけの中に寝かしてあるのを見るであろう。それが、あなたがたに与えられるしるしである(ルカ福音書2:12)



時雨闇にうずくまりをれば薄日射す