● いちえふに今日も溢れる水のことみんな黙って缶ビールぷしゅ
扇動された人の話
矢口以文
政治をやっている人たちが
あの方のことを 「とんでもない犯罪者」と
私たちに吹きこんだ
正しい情報を与えられてはいない私たちには
権威ある人たちの その言葉を
信じる以外に何ができたろう
そそのかされた私たちは騒ぎ立ち
「その人は殺せ! バラバは許せ!」と
声をからして叫んだ
彼らの流した情報が
自分たちの立場を守るための
いつわりのものだったことには
全く気がつかなかった そしてこれからだって
政府がまたそんなことをしても
やっぱり知らずに操られるだけだろう
『詩集イエス』より