人生80年という時代の中で、最初の20年間で方向性も含めて全てを決める必要はないという風潮が、もっと社会の中に広がればいいのにと思う。 私自身もそうだが、20歳の時点で今の自分がやっているようなことは、まったく予想していなかった。 だから、20歳くらいまでに将来を決定付けるような進路、という考えじたいを捨てていいのではないかと思っている。 となると、20歳頃の進路教育でどういうことが大切かというと、私が思うに、”自分の強靭さにつながるような仕事をしておきなさい”ということになる。その 選択を一生続けるかどうかはどうでもいい。しかし、その選択したものが、自分の器を広げ、硬さと粘りを兼ね備えた強靭な自分作りにつながっているかどうか が、とても重要だと思う。30歳くらいまでに、それをきちんとやっていけば、残りの人生50年を、しっかりと生きていくことができるだろう。 世間での評判とか、安定性とか、形ばかりを追いながら、肝心の自分の強靭さを養えないまま30歳をすぎてしまうと、さらに世間での評判や安定性を頼ろうとして、捨て身で何かにトライすることもできなくなって、ますます悪循環に陥ってしまうと思う。(抜粋)