風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

「ふくしま集団疎開裁判」高裁決定出るー司法も健康被害懸念、しかし・・?

  福島県郡山市に対して市内在住の子どもらが「年間1ミリシーベルト以下の安全な場所での教育を受けられること」を求める、いわゆる〈ふくしま集団疎開裁判〉で、4月24日、仙台高等裁判所(佐藤陽一裁判長、鈴木陽一裁判官、小川直人裁判官)において、通常の裁判での「判決」に当たる「決定」が下 された。

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http://www.janjanblog.com/archives/95073

以下、抜粋掲載

 原審・福島地方裁判所郡山支部が扱った平成23年(ヨ)第29号の裁判――それは一定の空間線量下での学校教育活動の差し止めと安全な場所での教 育活動の実施の仮処分を求めるもので、第2審の仙台高裁は、結論としては抗告人(仮処分を求める、いわゆる原告側)の申し立てを却下する「決定」を下し た。
 24日18時から衆議院第2議員会館で行われた記者会見で、弁護団柳原敏夫弁護士は、全18ページから成る「決定」の前半と後半との論理のかみ合わない様を指して「まるで狐につままれたよう」と評した。
 「前半の、言わば総論の部分では、『子どもたちの生命・身体・健康について由々しい事態の進行が懸念される』と言いながら、後半の各論――つま り、子どもたちに避難する権利はあるか?郡山市に義務はあるか?という段になると、さまざまな理由をつけて、申し立て却下に持って行っているからです。」
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 そして郡山市の抗告人の通う学校では「現にその学校施設での教育を受けている生徒がおり、その教育活動を継続することが直ちにその生徒の生命身体 の安全を侵害するほどの危険があるとまで認め得る証拠もないから、相手方が現在の学校施設での教育活動を継続することが直ちに不当であるというべきもので はない」とする(P15)。
 記者会見では、「決定」のP15ぐらいまでを解説し終えた柳原弁護士からは「この決定での考え方の道筋を直ちに理解できる人は常人ではありませんね。いったいどういうことなのか、チンプンカンプンです」とのコメントも添えられた。

 また決定のP16以降では「抗告人の主張するような放射線被害を回避するためには現住居から転居して相手方の管轄行政区域外に居住することを前提 とするほかはなく、その場合は、転居先での公的機関が設置した学校施設で学校教育を受けることに何らの妨げもない」(P16)、「転居することに格別の支 障があるとは認められないし、転居先の公的教育機関による教育を受けることには特に妨げもないはずであるから、抗告人の主張する抗告人に生じる著しい損害 又は急迫の危険をもたらす放射線被ばくを避けるために抗告人が求める保全処分を発する必要性があるとは認めることはできない」(P17)として「申し立て 却下」を結論づけている。
 しかし、「転居先での公的機関が設置した学校施設で学校教育を受けることに何らの妨げもない」等とは現実には言えないことは誰にでもわかることだ。

 「ふくしま集団疎開裁判」弁護団作成のリーフレットでは、「誰もが逃げたくても逃げられる訳ではありません。経済的な事情(避難先で仕事を見つけ る困難)、家庭的な事情(介護・世話が必要な親・兄弟がいる)、子ども自身の事情(冒頭の高校生のように自分だけ逃げ友情を裏切る真似はできない)で避難 がかなわない人は沢山います」自主避難の困難さを説明している。

京都大学小出裕章氏も「私は福島の人たちに避難してほしいと思います。しかし、逃げて ほしいのですが、どこへ逃げるのか? 逃げた先で、はたして仕事はあるのか? つまり、今回の原発事故は〈被曝による健康被害〉と〈避難による生活の崩 壊〉、そのどちらを選ぶのかというような選択を福島の人たちに強いることになってしまったということです」と述べている。

 また、前記リーフレットでは、「子どもたちが原発を推進したのでしょうか」「子どもたちが原発をこわしたのでしょうか」「いいえ子どもたちには何の責任もありません」という記述の後にこう書かれている。


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