2018-03-28から1日間の記事一覧
今井恵子さんの『渇水期』は、私にはどの一首も良くて、読んでいると心が穏やかになってくる。 だけど、そんなことを言っていたらきりがないので、選りに選って極力少なめに紹介してみたいと思う。 家族の声はるかなる記憶に青く揺れている水あるごとし油蟬…
久高島カベールは神の降り立つところにてここよと指しぬ島の男は 戦場に父の死なざりし偶然より生まれ来たりてわれがもの言う 風葬の島の断崖あおられて澄みとおるまで木々の屈曲 何もないことが背筋を滑りゆくまばたきの間(ま)を岩に向き合う 見上げては…