父知れぬ男子(をのこご)宿せる少女子(をとめご)に「喜べ!」と天使告げたりと云ふ 十字架に掛かりし人のその母の嘆きを聖書は語らずに過ぐキリストがこの世に来られた次第を聖書を辿って見ていくと、クリスマスという喜びに溢れるおさな児の誕生の時点で…
悲傷のはじまりとせむ若き母みどりごに乳をふふますること 十字架を組みたる材はなにならむ荒れたる丘の樫のたぐひか 風媒のたまものとしてマリヤは蛹のごとき嬰児を抱(いだ)きぬ 葛原妙子の歌集『原牛』の中の「風媒」の項で、上の三首がこのような順に並…
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