寒き日の溝の邊(へり)歩み泣ける子よ素足のキリストなどはゐざるなり 「飛行」 今回とりあげる葛原妙子の短歌はこれだ。しかし、この短歌をもって妙子が信仰を持たなかったと即断するのはどうだろうか。「キリストなどはいない」と断定してはいるのだが・…
市に嘆くキリストなれば箒なす大き素足に禱りたまへり 「鷹の井戸」この短歌を一読すれば、ある人はすぐさま、「イエスの宮清め」といわれる聖書の記事を思い浮かべるだろう。イエスは宮に入り、宮の庭で売り買いしていた人々を追い出しはじめ、両替人の台や…
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