風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

トリプトファン→キヌレニン→ナイアシンと、コルチゾール(副腎皮質ホルモン)


● 運動によって骨格筋が刺激されると、鬱の原因物質が “解毒”される ―Cell
論文ではこうした効果について、キヌレニンが脳へ到達する前にKATによって無害なキヌレン酸へと変化されてしまうためではないか、としています。
こうした結果について、研究を主導したカロリンスカ研究所のJorge Ruas氏は「我々は当初、筋肉を鍛えることで脳に有益な物質が産生されるものと考えていたが、結果は逆だった。鍛えられた筋肉は、体にとって有害な物質を解毒(purge)する酵素を作っていたのだ。これはつまり、筋肉が腎臓や肝臓と似たような機能を備えているということだ。」と語っています。(抜粋引用)

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うつ病と運動とキヌレニンとセロトニンとストレス

以下に書くことは私の思考過程のものですので、間違った記載があるかも知れません。

ストレス時に放出されるホルモン(コルチゾール)も、キヌレニンへの代謝を促進する。これらは血中トリプトファン濃度を減少させる。(『栄養と料理8月号』「ちょっと気になる精神栄養学第19回」より)

ウィキペディアによると「キヌレニン」というのはトリプトファンからナイアシンを生合成するキヌレニン経路における主要代謝中間体のひとつ」とある。
つまり、ストレス時に放出される副腎皮質ホルモン(コルチゾール)は、トリプトファンからセロトニンをつくらせるより、トリプトファンからナイアシンをつくらせるように働くというのだ。

ナイアシン :インスリンの合成にかかわる。(『栄養成分バイブル』)
パントテン酸:ストレスが生じると、副腎は、副腎皮質ホルモンをつくって血糖値を上げ、エネルギーを増大させて、ストレスに臨む体制をととのえます。この副腎のはたらきを強化し、副腎皮質ホルモンの産出を促すのがパントテン酸です。(『栄養成分バイブル』)

つまりストレス時には、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)によって上がった血糖値を元に戻すためにインスリンを合成するナイアシンが必要になるということだと思われる。血糖値が上昇したままでは生体に破綻を来す。そのため、ストレスホルモンであるコルチゾールが放出されると、血糖値を元に戻すためのナイアシンを合成するキヌレニン経路が働くように生体内で仕組まれているのだ。

アトピー対策でパントテン酸食材を摂ってきたのだが、パントテン酸ナイアシンは同じビタミンB群の栄養素でありながら真逆の作用をするように思う。パントテン酸食材を多く摂って副腎皮質ホルモン(コルチゾール)が体内で造られると、ナイアシン食材を摂らなくても、他の栄養素からナイアシンが造られるようになっている。それが、トリプトファンからナイアシンを造るキヌレニン経路だということだ。

このように、生体は恒常性を保つように造られている。交感神経と副交感神経からなる自律神経は、この恒常性と深く関係している。

また、ストレスによって炎症誘発性サイトカインの産生が促され、それによってキヌレニン経路へと促進されると書かれたサイトもある。
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http://www.ambrosia-kk.com/news/110707_2.html