やはり予測していた通り、朝、自分で頑張って起きるようになってから皮膚の状態は回復してきた。(アレルギー反応を引き起こす)ヒスタミンを抑制する副腎皮質ホルモンが睡眠によって作られるようになったために、食事でパントテン酸を摂ることをあまり考えなくても良くなってきたと思う。アトピーを治すために睡眠リズムを整えるということがどれほど大事かということが良く分かったように思う。薬で治すしか能の無い医者にこんなことを言っても否定されるだけだろうが・・。
ただ、皮膚の表皮が新しく置き換わるためには28日かかるので、すっかり良くなるためには最低でも28日はかかるということを頭に入れておく方が良いと思う。最低でもというのは、表皮の下の真皮が傷ついていればもっとかかるということになるからである。しかも、アレルギー反応を引き起こすヒスタミンは表皮より内側の真皮を攻撃しているように思われる。
『病気の地図帳』の「蕁麻疹」の頁には、「・・なんらかの刺激が加わると肥満細胞からヒスタミンが放出され、毛細血管のヒスタミン受容体と結合する。すると血管が拡張し、血管の透過性が高まり、血管壁やすきまから血漿が血管外へ漏れ出し、その部位にかぎって皮膚に紅斑と浮腫、すなわち膨疹が形成される」と書かれている。
皮膚の真皮の上層には毛細血管が分布していて、表皮の基底層に酸素や栄養素を供給している。ヒスタミンは毛細血管にある受容体と結合するのであるから、表皮より先ず真皮に損傷を与えると考えられる。もちろん、痒みが引き起こされて引っ掻く等すれば外から、つまり表皮側から傷つけられるということも起こってくるのだが、ヒスタミンの攻撃は先ず内部の真皮から始まるように思う。
一般に表皮は28日で新しい細胞に置き換わる(ターンオーバー)といわれているが、傷つけられると傷を修復するために細胞分裂は加速されるという。しかし十分な角質層の形成が出来ないために、表皮がぼろぼろと剝がれ落ちるばかりとなる。アトピーが悪化して腫れが引いた後も表皮が剝がれ落ちる状態が長く続く場合は、ヒスタミンによって真皮などの内部が攻撃されて表皮に栄養を送ることが出来なくなっているためであると考えられる。
加えてアトピー性皮膚炎の人の皮膚は、蕁麻疹の場合と違って、元から角質細胞間に存在する脂質(セラミド)が少ない、あるいは形成されづらいという問題を抱えている。だから元に戻るために余計に時間がかかるように思われる。
睡眠リズムを整えるのはヒスタミンの働きを抑制する副腎皮質ホルモンを体内で正常に作ることを目的としている。このヒスタミンの過剰な働きを抑制することで、時間はかかっても、必ず一定の回復が得られるということである。
皮膚の状態がなかなか良くならない時は、この皮膚細胞の性質を思い起こして焦らないこと、睡眠リズムを整えれば必ず回復すると希望を持って気長に取り組むこと、だと思う。
アレルギー体質というのは、アレルギー反応を引き起こすヒスタミンレベルが高いということではないかと思う。この後、ヒスタミンレベルをさげるための食事についても少しずつ纏めていきたいと思っている。
参考書籍:『アロマ環境協会会報誌№26』
山口和克=監修『病気の地図帳』(講談社)
堺章=監修『目でみるからだのメカニズム』(医学書院)
ところで、今宵は最後の晩餐の夜だった。
そして、もうすぐ復活節だ。