風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

リヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー演説『荒れ野の40年』より


宮田光雄『ナチ・ドイツと言語』 『ナチ・ドイツと言語ーヒトラー演説から民衆の悪夢まで』(岩波新書)について

 ヒットラーのした働き、それは、偏見と敵意と憎悪を掻き立てるということでありました。

 そこで、若い諸君へのわれわれの願いはこうであります。

 どうぞ、敵意と憎悪の中へと駆り立てられないようにして頂きたい。

  他の人間に対する敵意と憎悪へ、
  ロシア人あるいはアメリカ人に対する敵意と憎悪へ、
  ユダヤ人あるいはトルコ人に対する敵意と憎悪へ、
  ラディカルな要求をする人びと、あるいは、保守的な人びとに対する敵意と憎悪へ、
  黒人あるいは白人に対する敵意と憎悪へ、
  駆り立てられないで頂きたい。

 対立して生きるのではなく、共に生きていくことを学んで頂きたい。

 民主的に選ばれた政治家であるわれわれこそ、このことを常に繰り返して心に留め、その模範となろうではありませんか。

 自由を尊ぼうではありませんか。

 平和のために働きましょう。

 法を守りましょう。

 われわれのこころの内にある正義の規範に仕える者となりましょう。

 きょう、・・、なしうる限り、真理をしっかりと見つめようではありませんか。

                   (加藤常昭=著『ヴァイツゼッカー』(清水書院)より)


近未来、仮想マネーと行政の管理、どちらが信頼できる?
 政府が何とかやってくれるという共同幻想で、日本の円の信頼は担保されている。その共同幻想の中にいるかぎりビットコインは紛い物だ。確かに現状では、ビットコインは不安定な代物だが、行政による管理の安心という共同幻想も紛い物かもしれないということをどこかに意識していないと、きっと痛い目を見る。そして、国家に騙されていたと言い訳をする。あの時は騙されていたと言い訳する人が多いと言い訳することも簡単だ。しかし、そうした結果は、騙されていたからではなく、自分の人生の為に当然考えなければならない自分の所属世界のことを何も考えず、既成概念にあぐらをかき、共同幻想の中で惰眠を貪り、考えるという自分の責任を放棄していただけのこと。
 考えない人が多いことで維持される既成の秩序は、代謝が悪く、肥満になり、成人病に蝕まれていく。そうなればなるほど、他人に期待するだけで自分で動こうとしない人が増え、ますますどうにもならなくなる。
 どうにもならなくなると、粘り強く考えることは益々面倒になるから、最悪、自分は楽なところに隠れて、人を戦地に送り出して、その混乱によって局面打開を狙う輩も出てくるだろう。(抜粋引用)

私は福島の人々に多くを求め過ぎているのかもしれない、と不安に思うこと
各個人が、ナルシシズム構造を脱却して、本当の意味での個人としての精神性を確立すること。そして、自分の所属する特殊集団の利害に配慮すると同時に、それを超えたことへの想像力を持つこと。さらに、「中央集権的組織」への過度の依存を脱却して本当に問題解決力のある地域の社会構造を構築すること。
このような精神性を、放射能と共存し、国家等の旧来の権威への信頼が失われた状況で生きていかねばならない福島の人々が獲得する可能性があると私が考えるのは、私からする過度の期待になってしまうでしょうか。放射能との共存は自然科学的な能力を、賠償や避難生活・廃棄物処理場の調整・故郷の復興などの課題に具体的に関わり続けることは、人文社会科学的な能力を、高次の水準で求め続けます。
重すぎる負担かもしれない。そう感じます。
地震津波の直接の被害、さらに原子力発電所の事故と避難生活。それだけでもこころにとっての十分過ぎるほど大きな負担です。その上さらに、まだ何年もこんな試練に耐えることを私は福島の人々に期待しているのです。
それでも、現地にはその方向で乗り越えようとしている方々をみかけます。・・・(抜粋引用)

原発推進と「亡国の輩」 ー「エネルギー基本計画」の欺瞞
 原子力ムラの人間たちは、「日本は世界一の原発技術と安全基準を持っている。コストも安い」と言う。彼らの中では、福島第一原発の事故が引き起こした災厄と被災地住民の塗炭の苦しみは、すでに忘却の彼方なのである。
 原発ゼロを訴え続ける、あるエネルギー政策研究者が「もう一度原発事故が起これば、日本は取り返しがつかない状況になる。原発再稼働を訴える人々は『亡国の輩』以外の何者でもない」というのは、言い得て妙だ。それにしても、「亡国の輩」の手法は姑息に過ぎる。
 経産省パブリックコメントの結果を客観的に見ても、原発推進に反対する意見が多いのは明らかだ。パブコメを受けての政府案ということならば、コメント募集自体がアリバイづくりと捉えられても仕方がない。いったい1万8,663件のなかで、どれくらいの割合で賛否が分かれたのかパーセンテージで出すべきだろう。
 安倍政権は、東京都知事選の結果を受けて「国民は原発再稼働を容認した」と胸を張る。しかし、これは間違いだ。世田谷区に住むある有権者は、脱原発派ながら舛添要一氏に一票を投じた。「あの人にもいろいろと問題はあるのかもしれないが、脱原発だけでなく行政全体を考えたときに“安定感”という点で 支持した。ただ、舛添氏も『原発の依存度は減らす』と明言しているから、そこに期待したい」という。筆者は、多くの有権者が、同じような理由で舛添氏を支持したと見る。強引に原発再稼働に走った時、安倍政権の支持率は確実に下がるはずだ。「亡国の輩」の頂点にいるのが、安倍首相であることは言うまでもない。(抜粋引用)