風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

聖樹灯しー田川飛旅子俳句

聖樹灯し治癒なき病いまだあり

 この句は自分のことを詠った作品である。
 「人間、誰もが<治癒なき病>を持っているものです。病をなくそう、避けようとするのでなく、むしろ同伴者のようにつき合うように考えた方がよい。神様は同伴者として病を与えて下さっているのかもしれません」。
 こうした含蓄に富んだ言葉を聞いた後で、もう一度、この句を読み直してみると、なるほど深い信仰的な味わいのある作品であることがわかる。(新堀邦司=著『神を讃う キリスト教俳句の世界』(新教出版社)より)