中村丁次=監修『からだに効く栄養成分バイブル』(主婦と生活社)によると、パントテン酸を多く含む食品は、鶏、豚、牛などのレバー、鶏もも肉、牛ヒレ肉、豚肩ロース、たらこ、うなぎ蒲焼き、銀ざけ、まながつお、いわし、納豆、アボカド、さつまいも、モロヘイヤ、干し椎茸、卵などとなっている。
これらの中で飛び抜けて多く含有している食材は使わないことにした。多すぎるというのは逆の作用を引き起こす可能性があるということだからだ。どんな栄養素にしても、私は、2番目に多くその栄養素を含有している食材を使うようにしている。ここでは、レバー類は外した。そして低含有の食材は、二つの食材を合わせて摂るようにした。野菜だけで摂る場合は、モロヘイヤとさつまいもから摂るというように。
納豆は鶏もも肉や豚肩ロース肉などよりも含有が高く、加熱調理によって損なわれることもないので、強い味方だ。
腸が整っていない子どものアレルギーでは食品がアレルゲンとなることが多い。三大アレルゲンと言われるのが、卵、牛乳、大豆である。
子どもが小さい時は、卵にアレルギーを持つ場合は鶏肉も要注意であるし、牛乳の場合は乳製品一般にも気をつける必要がある。大豆にアレルギーを持つ場合も同様。
けれど、加工したものの中でアレルギー体質の体に一番優しいのは発酵したものであるから、アレルゲンである食品を試しに摂り始める時は納豆やヨーグルトなどの発酵食品から始める。
又アレルギーで注意が必要なのは同じ食品を続けて大量に摂らないということだから、同じものを毎日摂らないように献立を考える必要がある。
今回私は、これらパントテン酸を多く含む食品の中で、ナイアシンを多量に含有するたらこは症状が酷いときは避けるようにした。(ナイアシンについては又後で触れたいと思うが。)
もう一つは、卵。これは子どもの時からアレルゲンであったということもあるが、卵白の中の成分がアレルギー体質に対して良くない働きをするためである。特に生の卵白は良くない。
もう一つ、上記には載っていなかったが、食品成分表を見るとイクラも比較的多くパントテン酸を含んでいることが分かった。娘はイクラが好きなので、これも献立のローテーションの中に加えることにした。
パントテン酸はビタミンB群の仲間で、蓄積されないので毎日摂る必要がある。そして、アルコールやカフェインによって消耗されやすいので、コーヒーなどの飲みすぎには注意した方が良いだろう。
以下にパントテン酸食材を使った料理の例を載せよう。
先ずは、鶏もも肉のソテー。この時はピーマンを一緒にソテーした。ピーマンにはビタミンCが多いので一緒に摂ると良いと思う。(作り方は→http://d.hatena.ne.jp/myrtus77/20120305/p1)
次は、豚肩ロース肉のソテー。一つは夏野菜の蒸し煮を上にのせたもの。もう一つの方は玉葱、ピーマン、トマトを炒めたものをのせている。パプリカもビタミンCが多い。又パプリカはビタミンB6も豊富に含有している。B6もアレルギー体質の人間には有用な栄養素である。
モロヘイヤは地産のものがお店に出ていたので良く活用した。一つは、さっと茹でてわさび醤油で和えたもの。もう一つは油揚げとの煮浸し。モロヘイヤはカルシウムも豊富なので、にがり(マグネシウム)のみで作られた油揚げと合わせるのは理に適っていると思われる。
さつまいもは、宮崎産の小さい鳴門金時が夏前から出ていたので、キンピラやお味噌汁の具にして補助的に使った。さつまいものポタージュであればそれをメインにしてパントテン酸を摂取することが出来ると思う。
最後は、イクラ丼。