風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

『ビロードうさぎ』マージェリィ・ウィリアムズ作(童話館出版)

『ビロードうさぎ』マージェリィ・ウィリアムズ作、ウィリアム・ニコルソン絵(童話館出版)                    
この『ビロードうさぎ』は、友人から贈られた絵本です。
この絵本が届いた日の午後、娘と私はこんなやりとりをしていました。
娘:「天国へ行ったら、何才の時の体でよみがえるんだろう?」
私:「天国ではこの世の体とは全く違う体でよみがえるんだと思うけど・・?」
夜になって、一人静かに絵本を開き、『ビロードうさぎ』を読み終えた時、この絵本の中に昼間の娘への答が用意されていたように思いました。

クリスマスの朝、ビロードで出来たおもちゃのうさぎが坊やのところにやってきました。ビロードで出来たうさぎは、子ども部屋で年老いて古びた木馬に出会います。
子ども部屋では、機械仕掛けのおもちゃ達が「自分たちは本物だ」と威張っていました。ある時、うさぎは木馬に尋ねます。「ほんとうのものって、どんなもの?ネジがついてるってこと?」すると木馬は、本当のものというのは体がどんなふうに出来ているかということではないこと、そのおもちゃを持っている子どもが長い長い間しんからかわいがってくれた時に本当のものになるのだということ、本当のものになる頃にはあんまりかわいがられたので、とてもみっともなくなっているということ、けれど本当のものになってしまえば、みっともないなどということはどうでもよくなるのだということを話して聞かせてくれました。うさぎは自分も本当のものになりたい、そうなったらどんな気持ちがするのか知りたいと思いました。
うさぎが坊やにかわいがられて長い月日が経ちました。ある日、猩紅熱にかかった坊やの部屋のおもちゃ達は皆焼かれることになります。うさぎも・・。

命を持たないものが命を持つようになるということは、私達の思いの及ばないことではないでしょうか。神様は、私達には思いもよらない形で私達をよみがえらせてくださるのだと思うのです。そして神様の元へと帰った時、私達は神様の元で本当のものへと生まれ変わるのだと思うのです。

友人から贈られたこの絵本は、ある方の所に送られて今私の手元にはありません。でも、きっと、ビロードうさぎのように可愛がられていることと思います。