風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

2012-04-11から1日間の記事一覧

葛原妙子14

悲傷のはじまりとせむ若き母みどりごに乳をふふますること 十字架を組みたる材はなにならむ荒れたる丘の樫のたぐひか 風媒のたまものとしてマリヤは蛹のごとき嬰児を抱(いだ)きぬ 「葛原妙子5」で取り上げたこの三首は、妙子の第五歌集である『原牛』の中…

葛原妙子15

「ラビ安かれ」裏切のきはに囁きしかのユダのこゑ甘くきこゆる『原牛』 「葛原妙子12」で私はこの短歌を取り上げて、「ここにも、イエスを十字架にかける罪ある者として自らを捉える視点が働いている」と書いたのであったが、考えてみれば、裏切るというの…

春の途(みち)

陽落ちゆく ここはエマオか春の途 道で話しておられるとき、また聖書を説明してくださったとき、わたしたちの心は燃えていたではないか(ルカによる福音書 24:32)