芳賀言太郎のエッセイ 特別編 〜北北東に進路を取れ! 東京 ― 岩手540kmの旅〜
東北の地に巡礼路をつくるために。
第2話 栃木 ― 仙台 〜4号線を北上せよ〜
5月21日(木) 栃木 ― 宇都宮 ― 那須塩原 ― 仙台
ポール・スミスは少年の頃、自転車選手を目指していた。(略)
2010年にはチームスカイのスポンサーでもあるラファとサイクリングウエアとアクセサリーのコレクション「ラファ+ポール・スミス」を発表している。(略)
現在、上野の森美術館でポール・スミス展の東京展が開催中である(8/23まで。なお名古屋の松坂屋美術館に9/11〜10/16まで巡回)。タイトルの「HELLO,MY NAME IS PAUL SMITH」は、今でも土曜日にはショップに立ち、来店客に「Hello My name is Paul Smith」と自己紹介をすることから決まったそうだ。興味のある方は上野まで足を運んでみたらどうだろうか。
(写真:ポール・スミス展)
起床し、散歩する。教会の中で祈る。朝の礼拝堂は空気がピンと張って心地がいい。新しい白いシャツを羽織った時の感覚と言ったらよいだろうか。
(教会内部の写真3枚)
朝、6:30。身支度を済まし、栃木教会を出発する。
自転車に乗っているといろいろなことを考える。もちろん最優先で考えるべきは歩行者であり、…。
自転車に乗ることで頭の血の巡りも良くなるのだろう。それで自分がやろうとしていることについて考える。東北の被災地に巡礼路をつくるということなのだが、…。大体において自分が考える程度のことはみんなが考え、おそらくはもっと良く、深く考えている。(略)しかし、と思う。大切なのは自治体の枠を超え県境を越えてプロジェクトとプロジェクトを繋ぐことではないかと。ひとつひとつの場所、一個一個のイベントを時間的、空間的に繋ぐこと。それができれば、点から線に、線から面に、そして空間として立ち上がってくるのではないだろうか。
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路も例えば、…それ自体が独立していた地方巡礼の霊場が線として結ばれることによって成立したのである。そしてそれを成立させたのは巡礼者たちの歩くという行為そのものであった。…。
宇都宮は自転車好きにとっては特別の町である。(略)
とはいえ、郊外を走っている限りではそこまで他の町との違いは分からない。ただ、道路沿いのそこかしこにバイクスタンドが設置されているのを見ると、やはり「自転車の町」に来たのだなと思わされる。
(中略)
栃木から仙台までは260?余り。グランツールでも一日の走行距離が250?を超えるステージは稀であり、そもそも自分はレーサーではない。本当なら福島の祖母の家に一泊したいところなのだが、レースの開催日を考えるとどうしても今日中に仙台までは辿り着かないといけないので、今日は始めから輪行の予定である。
(中略)
仙台黒松教会では震災の時のボランティアの際にも使わせていただいた集会室に寝袋を拡げさせてもらう。
(教会内部の写真3枚)(抜粋引用)
コラム 僕の愛用品〜自転車編〜
第2回 サポートタイツ
C3fit パフォーマンスロングタイツ 9.500円
「C3fit」は日本のスポーツ用品メーカー「ゴールドウィン」の高機能スポーツウェアである。
「C3fit」とは、圧着〈Compression〉、整体〈Conditioning〉、快適〈Comfort〉の3つの「C」が身体にフィットするという意味であり、身体機能と運動機能を向上させるハイパフォーマンスウエアであることを主張している。(略)
代表的アイテムであるC3fitパフォーマンスロングタイツは「一般医療機器」ウエアに分類され、段階着圧による血行促進効果によって、静脈血やリンパの循環力を高め、運動時のコンディショニング調整、運動後のリカバリーを促進する。…。
このパフォーマンスロングタイツも厚生労働省の基準を満たした一般医療機器であり、医療製品の製造業として許可を受けた工場で製造されている。タグには堂々とMade in Japanと刻まれている。このプロダクトを担当したのは「現代の名工」、黄綬褒章の受賞者である沼田喜四司氏である。
(略)とはいえ、時に命に関わるエコノミークラス症候群予防のための医療機器(実際にそうなのだが)だと思えばこの価格も納得せざるを得ない。次に飛行機に乗るときにはしっかり装着して元を取りたいと思っている。(抜粋引用)