平出衛=作『いたいの いたいの とんでけ』(福音館書店)
娘が小さい頃、おじいちゃんに痛いところに手を置いてもらって「ちちんぷいぷい、こがねさらさら、○○ちゃんの痛いところ、遠い山にとんでいけ〜」と、おまじないをしてもらっていました。
エアーズという作業療法士の『子どもの発達と感覚統合』(共同医書出版社)という本の中に「痛覚は、防衛的反応を活性化するが、一方、強い圧覚は防衛的反応を調整したり、抑制したりする。むこうずねをぶつけた際には、痛みをやわらげるために、すぐに皮膚をこすったりするのがそれである。こすることで、痛みの流れを抑制したり、中止したりする触覚インパルスをおこす。圧覚は、防衛的様式の強度な活動を緩和する傾向がある」と書かれています。
私たち人間は、気づかないまま理にかなった行いをしていることが良くあるのだと驚かされます。
さて、『いたいの いたいの とんでけ』で、「すてん!」と転んだ子犬君の足をお母さんがさすっておまじないをしてくれました。「いたいの いたいの とんでけー!」ーすると、痛いのがどこかに飛んでいってしまいました。そこで、子犬君は「痛いの」を探しに出かけます。最初に見つけたのは地面にできたたんこぶでした。「いたいの いたいの みーつけた」 でも、地面にできたたんこぶから出てきたのはもぐら君でした。それで、又々子犬君は「痛いの」をどんどん探しに出かけます。そして、最後に見つけたものは・・・。
この絵本の裏表紙には、3才からと表示されています。でも、私は真似っこをし始める1才前後から読み聞かせてあげるのが良いと思います。頭や足をなでながら「いたいの いたいの とんでけー」と読み聞かせてあげれば、まねっこして、頭や足をなでてくれるかもしれません。
泣かないで いたいのいたいの春の空