風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

「El Camino(エル・カミーノ) 僕が歩いた1600km」芳賀言太郎のエッセイ第21回


私の家(中心のある家)は竣工してから38年になりますが全く古さを感じさせません。むしろ年を経る毎に良くなっています。物理的に劣化していません。その主な原因は、庇と無垢の素材です。外観のコンクリート打ち放しが劣化していないのは、庇が出ている為です。素性の知れない新建材でなく、人類が何万年の間慣れ親しんできた石、木、土、といった、中まで本物の無垢素材は、経年変化によって人や環境に馴染み、風合いが出て、年を経る毎に良くなります。( http://abeartec.com より)

「El Camino(エル・カミーノ) 僕が歩いた1600km」第21話 スペインのシスティーナ礼拝堂 〜サン・イシドロ教会〜
 現在のニュースのホットスポットはベルギーだろう。2016年3月28日に首都ブリュッセルで起きた連続テロ事件は世界を揺るがす重大ニュースとなった。それはビールやチョコレートといったイメージが先行しがちなベルギーが、実はヨーロッパ統合の中心地の一つであり、首都ブリュッセル欧州連合の主要機関が置かれるなど、世界の政治の一大拠点であることを気がつかせてくれるものでもあった。 

(中略)

 レオンのサン・イシドロ教会はスペイン最高とも呼ばれるロマネスクの壁画が残っている。その華麗な室内装飾から「ロマネスクのシスティーナ礼拝堂」と称されるサン・イシドロ王立参事会教会に足を運ぶ。…。

(写真、1枚)

 10世紀の初め、レコンキスタに勝利したアストリアス王国は首都をオビエドからレオンに移してレオン王国となる。国王ラミオ2世は王女のために王宮の隣に女子修道院を創設し、また近くには…聖堂が建設される。これらは10世紀末にイスラム勢力によって破壊されてしまうが、11世紀の初め、レオンの再建に当たったアルフォンソ5世は、この女子修道院を再興し、仮設の教会を建てて王家の墓所とする。これをフェルナンド1世が…「サン・イシドロ教会」として奉献。巡礼の興隆と共に手狭となったため、1101年新会堂が建てられ始め、1149年に献堂される。
 現在の教会は、…複合建築物である。

(写真、1枚)

 広場から見渡すことのできるのは南側面で、左の「子羊の門」と右の「贖罪の門」が見える。「子羊の門」は12世紀の教会の主扉で、タンパンの上部に「神の子羊(キリスト)」が刻まれていることからその名がある。タンパンの下部には「イサクの奉献」が刻まれ、旧約と新約との関係が目に見える形で示されている。「贖罪の門」は…。タンパンには「十字架降下」「復活」「昇天」の3つの場面が刻まれている。

(写真、1枚)

 …。12世紀前半のロマネスク彫刻最盛期の作品であるが、今の自分には絵画以上に味わうのが難しい。いつか分かるようになりたいとは思っているのだが。
 東端の後陣はゴシック様式、…。光の加減もあるのだろうが、自分には一番落ち着ける空間であった。
(サン・イシドロ教会内部写真、2枚)
 現在は美術館となっているナルッテクスは、…。…、圧巻とされるのが、…。

(写真、1枚)

 「圧巻なのが」ではなく「圧巻とされるのが」というのは、暗くてよく見えなかったからである。保存状態の良いフレスコ画を状態の良いままで保存するために照明は暗く、もちろん写真撮影は禁止である。そして何より、自分はこの手のキリスト教美術には弱いのである。不勉強なのはもちろんなのだが、そもそも生まれがプロテスタントで、しかも信仰の造形による表現を極めて抑制したカルヴァン派宗教改革の時には聖像を壊して回ったグループに近い)に属した教会で育ったため、図像よりも空間の方に意識が向いてしまう。

(写真、1枚)

 帰国後、本で確認したところによれば、…。(抜粋引用)
コラム「僕の愛用品」の21回目は、ジャケット
patagonia パタゴニア NANO PUFF JACKET ナノ・パフジャケット
定価28.080円 アウトレット価格12.500円

 このコラムもネタが尽きてきた。巡礼に持って行ったアイテムはたくさんあるが、愛用品と呼べるものは多くはない。むしろ持って行ったものの、使えなかったものや不便だったものの方が多い。一つ例を挙げると電源の心配をしてソーラーバッテリーを持って行った。…。しかし、電源で困ることはないということは歩き始めて2日で感じた。…。よく考えれば当たり前である。サハラ砂漠やアマゾンに行くわけではない。そこにはちゃんと(というのも失礼な話だ)人が住んで私たちと変わりない生活をしているのである。そして、バッテリーというのはそれなりに重い。結局3日目に着いた村で日本に送り返した。
 今回からは、もし、次に巡礼に行くことがあれば持って行くというアイテムを取り上げる。これらの道具は私が現在の生活で使用しているものである。巡礼の体験を通して必要なもの、必要な機能がそれなりにではあるが分かってきた。これから巡礼に行こうと考えている人の参考になればと思う。
 私はパタゴニアの製品が好きである。創業者イヴォン・シュイナードはクライマーであり、当時は軟鉄製で使い捨てるしかなかったピトン(ハーケン)を再利用可能な鋼鉄製とするために独学で鍛造を学び始める。

(中略)

…。巡礼路は東京ではない。ピレネーカンタブリア山脈の峠を越えることになるため、天気が悪いと夏でも一桁の気温になる。ここでは最悪を想定しなければいけないのだ。…。そして事実、低体温症のために救助を求めることになる巡礼者は決して少なくはない。
 ナノ・パフジャケットはダウンのように軽く、すっきりしてモコモコと着膨れせず、濡れても効果がある。(抜粋引用)


● 事故における ヒューマンエラーと ヒューマンファクター
機器の誤作動以外に、いくら厳格なマニュアル通りのトレーニングを受けても無意識のうちに操作を間違って事故が起きる場合の「ヒューマンエラー」と概念を区別して、意図的に事故を起こそうとしている人物に事故が起因する場合は「ヒューマンファクター」と呼ぶべきである、と提唱している。
(略)
  日本の原子力規制委員会はそんな「人の深層心理」に踏み込んだ規制基準をどこにも設けていないだろう。また規制委員会に属する工学的発想しかできないメンバーにそんな基準を草案できるはずもない。だから現在の原発規制基準をクリアしたからと言って、今後の再稼働原発はぜんぜん安全安心ではないのである。

(略)
付記:この記事を書いたあと、4月9日付けの朝日新聞では、「私の視点」という投稿欄(実際は以来原稿が多そうだが)で、
(略)
それによると
::(略):: 先月のブリュッセルの攻撃後やっと、ベルギー当局は核施設の従業員の個人情報を調べ、10人ほどの従業員の作業員資格は無効にすべきだと結論づけた。
最低限の対策として、兵器転用できる核物質もしくは、…を保有するすべての施設は、武装した警備員が守るべきだ。そして、原発の全従業員の経歴は、雇用前に徹底的に調査すべきだ。
テロリストたちは原発に目を向けている。だからこそわれわれも目を向けなければならない。
とある。(抜粋引用)

● 第943回 私たちの根っこは?
 airbnbでも、子ども達が出ていって広い家で暮らしている孤独の老人が上手に行えば、投資効果など気にせず、そこそこ生活の足しにすることはできるだろうし、世界の色々な人々と関係を深めながら晩年の人生を面白みのあるものにすることはできるだろう…。
(中略)
 …。そういうやり方は、きっと前時代の発想であり、時代は今、異なる局面にさしかかっているのだと思う。
 これからの時代は、そうした経済原理から自由になる時代なんだと思う。稼ぐことが目的化されるのではなく、生きるためにはお金は必要だけれど、健やかに生きるために、自分の持っている多面的なものをどう生かして暮らしていくのが問われるのだろうと思う。シェアをしたり、それぞれの持ち味を交換したりすることも含めて。不確定要素の多い時代だから、一本勝負だと危ういし、ストレスも多いし、執着せざるを得ず、そのための醜い争うにも巻き込まれやすく、健やかさが損なわれやすい。(抜粋引用)