風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

終りはすぐにはこない。(ルカによる福音書21:9)


● 第993回 末法の世
 2011年3月11日から6年経った。
 このサイト(サイトにはリンク先からお入りください。)には1000本を超える動画が、位置情報を特定して記録されている。
 このうちの1本を見るだけでも、自分の中の何かが崩れていくような気持ちになる。この震災で、被災者の方は当然そうだが、それ以外でも、理由はそれぞれだが、人生が変わってしまった人は、多くいるだろう。私もその1人だ。私は、東京から京都に移り住んだ。放射能が怖かったから移ったのではない。もちろん、放射能は不気味で怖かった。…。
 しかし、東京を離れた理由は、東京が象徴する何かに耐えきれなくなったからだ。(略)とどめは、東京オリンピックの新国立競技場のデザイン案が、ザハ・ハディッドのものに決まったことだった。あの巨大で派手な、モンスターのような物を、東京のど真ん中に作ろうとしている。ノアの洪水の後、懲りずに人間が作り出したバビロンの塔のように。聖書が説くように、人間というのはそういうものなのだろうか。…。
(中略)
 3.11の震災の後、原発事故の深刻な被害が残されたままなのに原発の再稼動の動きが出てきて、東京オリンピックという自分たちの足元を直視させない目眩ましに沸く状況で、新国立競技場のデザイン案を見た時、末法の時代だと思わざるを得なかった。東京にいると、その空気に巻き込まれて、流されて、大事なことがわからなくなってしまうと恐ろしくなった。(抜粋引用)

ある人々が、見事な石と奉納物とで宮が飾られていることを話していたので、イエスは言われた、「あなたがたはこれらのものをながめているが、その石一つでもくずされずに、他の石の上に残ることもなくなる日が、来るであろう」。そこで彼らはたずねた、「先生、では、いつそんなことが起るのでしょうか。またそんなことが起るような場合には、どんな前兆がありますか」。イエスが言われた、「あなたがたは、惑わされないように気をつけなさい。多くの者がわたしの名を名のって現れ、自分がそれだとか、時が近づいたとか、言うであろう。彼らについて行くな。戦争と騒乱とのうわさを聞くときにも、おじ恐れるな。こうしたことはまず起らねばならないが、終りはすぐにはこない」。(ルカによる福音書21:5~9)
「終りはすぐにはこない」などと言われると、気の短い私は、「とっとと終わらせてくれー」と一瞬思うのだが、神が忍耐しておられることを思えば、これほどの慰めはないとも思える。

ある人々がおそいと思っているように、主は約束の実行をおそくしておられるのではない。ただ、ひとりも滅びることがなく、すべての者が悔改めに至ることを望み、あなたがたに対してながく忍耐しておられるのである。(ペテロの第二の手紙3:9)