手袋
高田敏子
もしも 真っ白な手袋をお買いなら
「さようなら」は もちろん
その手を振って・・・
別れた人の心に
いつまでもにおう花びら
赤い毛糸の手袋なら
ひとの大きな荷物も
気軽に持ってあげられそう
ころんだ子どもは抱き起こして
その泣きべそのほっぺたを
つついてみたくなりそう
さまざまな手が
さまざまな表情でよびかける
手袋売り場
『月曜日の詩集』より
私は手袋というものをあまりしない。草むしりなどの庭仕事の時も素手ですることが多い。掌には体温調節に関わる汗腺が多いというが、夏場など軍手をして庭仕事をしていると汗だくになってしまう。雪国での雪掻きの時も体が温まったら途中で手袋を外していた。だけど、こんな詩を読むと手袋が欲しくなってしまう。
各地で大雪の被害が出ているのでこんなことを言うと顰蹙をかいそうだが、雪の滅多に降らないこの地に住んでいると、素敵な手袋をつけて雪の京都などに旅行したいと思ったりする。
あなたの手を、どんな色の手袋をつけて握りしめたら、ひよこが生まれるだろうか。それともやはり握りしめるなら素手だろうか?
雪の被害が最小限に止められるようにと祈りつつ・・。