風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

みょうがご飯

臙脂透く茗荷の花蕾きざみをり
ミョウガというものを祖母も母も料理に使うことがなかった。福島の夫の実家ではお味噌汁に良くミョウガを入れていた。葛原妙子の短歌の中に「めうが」を詠ったものがあって、「みょうが」というものが私の中で特別なものになっていた。それで、この秋、お店で茗荷を見つけた時、思わず買って帰った。お味噌汁に入れてみたが、何となく存在感が薄れる気がした。
『野菜の便利帳』(高橋書店を見てみると、「さわやかな独特の香りの成分はαピネンで、食欲を増し消化を助ける効果や、血行をよくして発汗をうながす作用、さらには眠気を覚ます効果もあります」と書かれている。αピネンというと、松などの針葉樹に多く含まれている香り成分ではないか!αピネンはモノテルペンだから揮発性が高い。だからお味噌汁などに入れて加熱して食卓に出しているうちにせっかくの香り成分が飛んでしまうということだ。「やさしい精油化学」(フレグランスジャーナル社)には「モノテルペンは時間の経過とともに空気中の酸素と結合し、過酸化物を産生します。・・。そのため、分解を早める熱や光といった自由エネルギー源から遠ざけて、しっかりと栓をして保存することが大切です」と書かれている。そこで、酢をふりかけてミョウガのちらし寿司を作ることにした。

レンコンを酢水で茹で寿司酢に浸けておく。
しいたけ、にんじん、鶏もも肉を煮ておく。
ミョウガをスライスしてご飯にのせ、レンコンと寿司酢を回しかけ、混ぜる。


煮込んだもも肉などは一緒に混ぜても良いし、後載せしても良い。

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最初の緑はシソを混ぜたもの。後のは三つ葉をのせたもの。最後の写真のは、鶏肉等はいれないで焼き鮭をほぐして混ぜたもの。

αピネンは脳の血流を良くするとも書かれているから、茗荷を食べると物忘れがひどくなるというのは間違った言い伝えではないかと思うのだが、このところ続けて茗荷料理を食べていて、どうも私は頭痛を起こすような気がしている。以前から、にんにく料理を食べると翌日具合が悪くなるということがあって、調べていたら、にんにくの成分が赤血球を壊すという情報が見つかった。う〜ん、茗荷にも何かそういう作用をするものがあるのだろうか?私以外の家族はにんにくを食べても茗荷を食べても影響を受けているようではないのだが・・?


そうそう、最後のこの写真は、鶏もも肉を煮た後の煮汁。キッチンペーパーで漉して冷蔵庫に入れたもの。もも肉のゼラチン質が溶け出して煮凝りになっている。次の日に炊きたてご飯に載せていただく。コラーゲンたっぷりではないかしら?


淡黄のめうがの花をひぐれ摘むねがはくは神の指にありたき 葛原妙子『薔薇窓』

この短歌について書いたものは以下から、
    ↓
http://d.hatena.ne.jp/myrtus77/20120508/p1