風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

執着


年末に台所の小掃除をしていて気に入っていた急須を割った。私は食器への執着心がとても強い。
右手で掃除機をかけながら、左手でキャスター付きの台をひっぱった。ひっぱっている間に天板の支柱がはずれたのに気付かないまま手を放した。当然のことながら天板はバタンと下へ閉じ、上に乗っていたものは皆落ちた。
天板の上にはお盆と急須が二つ乗っかっていた。私は普段使いの急須を食器棚にしまうことはしない。湿り気がある状態で食器棚の中に入れたくないからだ。殊に湿度の高い紀州では尚のこと。

二つの急須のうちの一つは、夫が学生時代に購入して使っていたもので随分古い。しかし、こちらは落ちたにもかかわらず無傷だった。もう一つは・・・、あぁ、私の安くてもお気に入りの急須は、こっぱみじんに割れた。磐田のヤオハンで買って以来愛用していた私の愛しい急須が・・・。


わたしは裸で母の胎を出た。また裸でかしこに帰ろう。主が与え、主が取られたのだ。主のみ名はほむべきかな(ヨブ記1:21)
私も、いずれ帰る時のために慣らされているのかも知れない。もちろん私は、ヨブと比べられるような者ではないが。

福島の家では、3月の地震の時、食器棚は倒れなかったものの扉が開き中の食器が飛び出して八割方壊れたと言っていた。