神かつて園の真中に一本の木を植ゑ愛を完成したまふ
中央に神が置きしは完璧な自由ともなふ愛の象徴
否、禁断の果実は実は林檎でなくなくしてならない愛そのものか
だから、取って食べるだなんてとんでもない話なのさ!
だから、とうの昔に愛は消化され、いまごろは・・・・
本当の愛には、自由という前提がなくてはならない。選び取る自由、拒絶する自由。
ドストエフスキーはこのことを、『カラマーゾフの兄弟』の中で、ドミートリイとカテリーナの関係において描き出している。
以下、原卓也=訳『カラマーゾフの兄弟』(新潮社)から抜粋引用する。
「…。彼女は入ってくると、ひたと俺を見つめた。…。
『姉が申したのですが、もしわたくしがこちらへ・・・自分でいただきにあがれば、四千五百ルーブルくださるとか。わたくし、参りました・・・お金をください!』…」
…。
「…。あの瞬間の美しさは、彼女が高雅なのに俺のほうは卑劣感であり、彼女が…父のためにわが身を犠牲にしようとする崇高さに包まれているのに、俺のほうは南京虫にすぎない、ということからきていたんだよ。しかも彼女のすべてが、心も身体もひっくるめてすべてが、南京虫であり卑劣感である、そんな俺しだいでどうにでもなるんだからな。…。いいかい、これらすべてにいわば上品な仕上げを施し、したがってだれもこのことを知らぬように、また知ることもできぬようにするには、もちろん、翌日プロポーズしに行けばいいんだ。なぜって、俺は卑しい欲望の持主でこそあれ、誠実な人間なんだからな。ところがその瞬間…。(中略)
心配するな、俺は長いこと引きとめたりはしなかったよ。ふりかえって、テーブルのところに行くと、引き出しを開けて、五千ルーブルの五分利つき無記名債券をとりだした。それから無言のまま彼女にそれを見せて、二つ折りにし、手渡すと、玄関へ通ずるドアを自分で開けてやって、一歩しりぞき、この上なく丁寧な、まごころのこもった最敬礼をしてやった。本当だぜ!彼女は全身をびくりとふるわせて、一瞬食い入るように見つめ、ひどく真っ青になっちまったよ、…。そして突然、やはり一言も言わぬまま、…、実にやわらかく、もの静かに、深々と全身をかがめると、まともに俺の足もとにひれ伏して、額を床につけておじぎするじゃないか、女学生流のおじぎじゃなく、ロシア式にだよ!そして跳ね起きるなり、走り出て行ってしまったんだ。…」(中略)
「待ってください、兄さん。…。兄さんは婚約者なんでしょ、今だって婚約者でしょう?」
「俺が婚約者になったのは昨日や今日のことじゃなく、あの出来事のわずか三ヵ月後だよ。あの事件があった翌日、俺は、この出来事はこれできれいさっぱり片がついた、続きはないんだ、と自分に言いきかせたもんさ。プロポーズしに行くのは、俺には卑劣なことに思われた。彼女のほうもそのあと六週間くらい町に暮らしていながら、一言の便りもよこさなかったよ。(中略)
これから先はごく簡単に説明しよう。モスクワに着くと彼女たちの事情は、稲妻のような早さと、アラビアン・ナイトのような意外さで急転した。…。…。ところで突然そのころ、俺は郵便で四千五百ルーブル受けとったというわけだ。もちろん、こっちは狐につままれたみたいで、口もきけぬほどおどろいたよ。その三日後に約束の手紙がきた。その手紙も今でも手もとにあるよ、いつも身につけているし、死ぬときも持って行くんだ。なんなら見せようか?ぜひ読んでくれ。結婚を申し込んできたんだ、彼女のほうから申し出てきたんだよ。『気も狂うほど愛しております。あなたに愛していただけなくとも、かまいません。ただ、わたくしの夫になってくださいませ。でも、お恐れになりませんよう。わたくし決してあなたを束縛いたしませんから。わたくしはあなたの家具に、あなたがお踏みになる絨毯になります・・・永遠にあなたを愛したいのでございます。あなたご自身からあなたを救ってさしあげたいのです・・・』(中略)
ああ!彼女がイワンをどんなに敬い、どんなに尊敬しているか、お前にはわからないかね?俺たち二人を比較して、彼女が俺みたいな男を愛せるとでも言うのかい、…」
「でも僕は、あの人が愛しているのは兄さんみたいな人で、イワンのような人じゃないと、信じていますよ」
「彼女が愛しているのは自分の善行で、俺じゃないんだよ」ふいにドミートリイの口をついて、心ならずも、ほとんど憎悪に近い調子で、こんな言葉がとびだした。
お金の問題が解消された時点でカテリーナは自らドミートリイを選び取って愛そうとするのだが、愛せないのだ。その後カテリーナは、弟のイワンに惹かれていく。
ここに描かれているのは、本当の自由も、本当の愛も失った人間の姿である。罪に堕ちて以来、私たちは、選び取ることも拒絶することも出来なくなってしまったのだ。
わたしは自分のしていることが、わからない。なぜなら、わたしは自分の欲する事は行わず、かえって自分の憎む事をしているからである。
そこで、この事をしているのは、もはやわたしではなく、わたしの内に宿っている罪である。
もし、欲しないことをしているとすれば、それをしているのは、もはやわたしではなく、わたしの内に宿っている罪である。(ローマ人への手紙7:15、17、20)
● 『太郎頑張れ(笑)と反知性主義』とテレメンタリ―2015『デモなんて』、それに『1016再稼働反対!首相官邸前抗議』
また、政府が軽減税率を導入とか言い出しましたが、財務大臣の麻生太郎が『軽減税率なんて面倒くさい』と発言しました(笑)。
(略)冷静に評価すると、麻生太郎は…、経済については…、そんなに的外れじゃないんです。…。
世論調査では、消費税の軽減税率は賛成の人のほうが多いようです。しかし、軽減税率というのはお金持ち優遇だし(お金持ちの方が食費は高いに決まってます)、流通側は滅茶苦茶に手間がかかる、おまけに軽減税率の適用品目を巡って役所や政治家の利権は増えるわ、しかもタダでさえ大赤字の国の税収が減る(他で増税するでしょうが)、はっきり言ってロクなことはありません。
(中略)
何となくムードで軽減税率に賛成しているのも反知性主義でしょう。勿論 複雑な今の世の中で、何でもかんでも検証している暇はないのも間違いありません。でも、皆がいつもそうだと政治家や既得権益団体が図に乗って今のようになっちゃいます。世の中を本当に変えるには、イデオロギーに関係なく、客観性や実証性を意識する人が増えていくのが早道、じゃないでしょうか。
(中略)
ということで、今週も官邸前へ。【1016再稼働反対!首相官邸前抗議】
時折 雨がぱらつきます。くっそ〜。昨年はデモの際 一度も傘を差したことがありませんでしたが、今年は6月からデモになると雨ばかりです。
昨日 川内2号機が再稼働されました。…。昨年の南日本新聞の調査によると鹿児島県の人の約6割が再稼働に反対だそうです。鹿児島の情報は南日本新聞 - 特集・川内原発
ですが、各種ニュースでは補助金が落ちる地元だけは賛成が多いということも報じられています。誰にとっても、お金や雇用は大事なのは誰でも一緒です。だけど、…。それはともかく、そういう立場の人や電力会社や原発メーカーとも話し合っていける論理、態度を保っていかなければ物事は進まないんでしょう。(抜粋引用)
16日金曜日はデモ日和だったので、「再稼動反対!九州で事故れば日本は終わる.死」の段ボールプラカードを持って行った。だけどこのプラカード、色がぱっとしないので、暗くなってくるとちょっとかも?このプラカードを持っていくときは時間を4時半から5時半に前倒ししようかな?(ミルトス)