一首鑑賞 » Archives » 小池光/雪に傘、あはれむやみにあかるくて生きて負ふ苦をわれはうたがふ
まず、「雪に傘」というイメージ鮮烈な初句。
「ゆきにかさ」と「あ音」に開かれていて、そのままぱっと傘を開いたような印象を与える。これが、「傘に雪」だと、とてもダサい。ぱっと歌を開く感じがなくなり、すぼむ。
(略)
「雪に傘」はつまり、もうそれだけで美しい詠嘆だ。(花山周子=文『一首鑑賞』より抜粋引用)
『一首鑑賞』の花山周子さんの鑑賞は引用させて頂いた後に続く部分が凄いのだけど、私は、「雪に傘」の部分に惹きつけられた。ここの部分を拝見して「確かに!」と思ったのだが、「雪に傘」を「傘に雪」にして最後に持っていったらどうだろうと思って、短歌擬きを作ってみた。
さらさらとかろき雪ふるぱらぱらとかたき雪ふる 傘に雪
札幌での雪体験を思い出して作ってみた。北海道では雪に傘をさす人はあまりいなかったと思うが、私はさしていたかなぁ?十年も前のことで、もう忘れてしまった。
https://t.co/UrpSG5FWMD 昨日の『一首鑑賞』、生沼義朗さんによる上田三四二短歌のご紹介。中に、「一杯の茶にはじまりて一日の幾百の用妻が手に経(ふ)る」というのがあって、しみじみ良いなぁ~と思った、妻の身から。
— 猫祐物語 (@syodainekosuke) 2019年1月9日
今年の紹介者のもうお一方、花山周子さんも並々ならぬ力の持ち主と拝察。
https://t.co/uLfq0uHsHb
— 猫祐物語 (@syodainekosuke) 2019年1月11日
杖持つは病まざる足の方の手と教へられたり知らざりにけり 蒔田さくら子
カモミール香にたつ蝋の火をともし鎮めむとする超えなむとする(抜粋)
短歌って一つ一つは短いんだけど、連作になり、歌集になると、そこにあらゆるものが入り込んで物凄い情報量だと思う。