風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

もう一つ、体内を酸性に傾けるもの(乳酸産生増大と乳酸脱水素酵素から考える)

meromeropy77.hatenablog.com


● 放射性セシウムに関する研究発表テーマ32課題のタイトル
  来る8月29日から31日まで、日本大学生物資源科学部(神奈川県藤沢市亀井野1866)キャンパスで開催される日本土壌肥料学会の講演のタイトルが、最新の学会誌(日本土壌肥料学雑誌)に掲載されました。以下はその中から放射性セシウムに関する研究のみをピックアップしたものです。
  提示されているタイトルをよくよくみると「放射性セシウムの動態」に関して、実に地道で骨の折れる研究が、多角的に展開されていることがわかります。
(略)
  「福島ってまだ放射能があるの?」というのが残念ながら関西以西の大部分の日本人の感覚のようです。著しい「こころの風化」です。

(中略)

〇大豆体内における放射性セシウムカリウムの動態     
 本島彩香・・信濃卓郎
〇被曝現場に放置された日常品の放射能汚染を立体像で可視化する
 森敏・加賀谷雅道・・・・中西啓仁              (抜粋引用)

以下の記事は私の思考過程のものですので、間違いが含まれているかも知れません。

前回入院時と今回入院時のデータを見直していて気づいたことが他にもある。

前回も今回も、入院時、乳酸脱水素酵素LDH)の値が基準値を超えて高かったのだ。そして白血球(WBC)の値が高く、中でも好中球(Neutro)の値が基準値を超えて高くなっていた。好中球に相反して前回入院時も今回も、白血球の中のリンパ球(Lympho)の値は基準値を満たしていない。

乳酸脱水素酵素については亜鉛ナイアシンの割合とpHバランスに関連して過去記事でも書いたのだが、この酵素は「乳酸脱水素酵素」と名付けられているが、乳酸から水素を奪ってピルビン酸に変換するだけでなく、乳酸とピルビン酸との相互変換を触媒する酵素なのである。この酵素亜鉛含有酵素である。

ここにナイアシンが関連してくる。乳酸脱水素酵素が働いてピルビン酸が乳酸に変換された場合、ナイアシンは酸化型のNAD+となる。逆に、乳酸脱水素酵素が働いて乳酸がピルビン酸に変換される場合には、酸化型ナイアシンNAD+)が乳酸から水素を奪って、還元型(NADH)ナイアシンとなるのである。

糖質(グルコース)からエネルギーをつくる最初の段階(解糖系)で、酸化型ナイアシングルコースブドウ糖)から水素を奪い、還元型(NADH)となる。この過程の最終段階でピルビン酸が造られる。ここで亜鉛が体内にあって乳酸脱水素酵素が働けばピルビン酸は乳酸に分解され、ナイアシンは酸化型に戻るだろう。酸化型に戻ったナイアシングルコースから水素を奪い還元型となる。乳酸脱水素酵素ナイアシンをリサイクルすると考えられる。(参考→「乳酸脱水素酵素」

ここで亜鉛が体内に多ければ、造られた乳酸をピルビン酸に戻し、ピルビン酸から酸素を利用した好気的過程であるクエン酸回路に進んでエネルギーを造ることが出来るだろう。しかし、ナイアシン過多で亜鉛が足りない場合は乳酸からピルビン酸に戻すことが出来なくなる。すると糖質からエネルギーを造ろうとする嫌気的過程に留まり、ナイアシンは還元型(NADH)が増え続けることになるのではないだろうか。そして、乳酸は溜まったままとなる。

この状態は、柿沼由彦=著『心臓の力』に記されているアセチルコリン産生によって、…グルコースへとシフトした。それは、この心筋細胞の代謝が若干、酸素を消費する好気的代謝から、酸素消費を抑える嫌気的代謝へと…エネルギー産生様式を転換させた」状態だと言えるように思う。ナイアシンアセチルコリン合成に関わっているため、ナイアシン過多でこういった状態が引き起こされると思われる。


ここで、最近目にしたものを以下に引用する。


 腎臓では活性酸素は、NADPHオキシダーゼ、あるいはミトコンドリアで産生される。
 腎臓では、一酸化窒素(NO)が、L-アルギニンから、eNOS(一酸化窒素合成酵素)により、生成される。
 一酸化窒素は、血管を拡張させ、血管を保護するが、一酸化窒素が活性酸素と反応すると、ペルオキシナイトライトと強力な酸化因子が生成され、細胞障害が起きる。(伊藤豊=著『医者が教える最強の栄養学』(ロング新書)より)

ウィキペディアによると、NADPHオキシダーゼとは「NADPH由来の電子を細胞膜を越えて輸送し、分子状酸素と反応させることで、フリーラジカルである超酸化物イオンを生産する」酵素のことで、「好中球に潜在」すると記されている。

これまで何度も書いてきたように思うが、好中球は3型アレルギーに関わってリウマチや痛風と関連していると思う。痛風発作は、好中球が活性酸素などを放出して尿酸塩結晶を攻撃した際に起こるようである。

ウィキペディアの「NADPHオキシダーゼ」の項には、「NADPHオキシダーゼは動脈硬化症の 主な原因である。動脈硬化は、コレステロールを蓄えたマクロファージ(泡沫細胞)が血管内膜に集積することで起こる。NADPHオキシダーゼは活性酸素を生産し、アクチンを重合させることでマクロファージを血管壁に接着する。これはNADPHオキシダーゼ阻害剤や抗酸化物質で相殺される」とも記されている。

「NADPH」とは還元型ナイアシンの一部がリン(P)と結合したもののことで、これもナイアシン補酵素型の一つである。
リンはエネルギー生成に深く関わるミネラルであり、「遺伝をつかさどる核酸を構成」(『栄養成分バイブル』)するミネラルである。そして、尿酸の原料となるプリン体核酸として存在している。

亜鉛もまた、ナイアシンやリンと同じく、核酸の合成に関わっている。同じ場で働く栄養素の一つが過剰になった場合、他の栄養素はどうなるだろう?欠乏するのではないだろうか?

ウィキペディアの「亜鉛欠乏症」の項を見ると、亜鉛欠乏は「マクロファージ、好中球の機能、ナチュラルキラー細胞活性、補体活性を低下させる」と記されている。つまり、亜鉛は好中球の働きにも関わっているということだ。好中球に関わるもう一つの栄養素が銅である。

体内がナイアシン(この場合酸化型)過多になることで、還元型ナイアシン(NADHあるいはNADPH)が増え続け、白血球中の好中球が増加し、それに伴って腎臓では活性酸素が増える、ということである。

亜鉛の機能と健康』には、フリーラジカルのひとつであるスーパーオキシドが血管拡張物質である一酸化窒素(NO)と結合し血圧を上昇させる。亜鉛欠乏状態では活性酸素消去酵素のひとつであるスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)の活性が低下する」と記されている。つまり亜鉛欠乏状態では、血管拡張して血圧を下げるはずの一酸化窒素が活性酸素と結合して逆に血圧を上昇させ、腎臓では細胞障害を引き起こすということになるのだ。

スーパーオキシドジスムターゼは亜鉛と銅によって合成される。

夫の体は、ナイアシン過多で、亜鉛と銅が白血球の好中球の機能を高める方にばかり使われ消費されて、抗酸化に働けなくなった状態だったと言えると思う。ストレスもまた体内を酸化させる。

また、銅は心筋の収縮とストレス対応に関わっている。銅が欠乏したために心不全を起こしたと考えられる。


以下の写真は堺章『目でみるからだのメカニズム』(医学書院)からのものである。

アロマセラピストの講習でここの図を初めて目にした時、当時夫の病気であった甲状腺機能亢進症に注目したのだった。「甲状腺機能亢進症というのはアルカローシスで起こってくる病気なんだ」、と。

亢進症の薬(メルカゾール)は亜鉛を排出する薬である。それを夫は10年以上飲み続けたのだ。その頃の毛髪検査では、亜鉛と銅は基準値を大幅に下回っていた。特に亜鉛の欠乏は甚だしかった。
加えて、この5年ばかりの間で、娘のアトピーのことを考えて亜鉛食材を摂らないようにしていた時期があった。その頃私などは口の中が渋柿を食べたような状態になったこともあったのだが、夫の異変には気づかないできた。

また、放射線によって汚染された環境ではスーパーオキシドジスムターゼが必要となり亜鉛と銅はますます消費され欠乏することとなる。

それで、前回入院時に「亜鉛で治療をして頂けませんか」と、主治医にも栄養士にも訴えたのだが聞かれなかった(というより、医者も栄養士も理解出来なかったろうから、どうすることも出来なかったということだろうが・・)。

しかし、前回の入院中、主治医は「亜鉛は足りてますよ」と言っていた。おそらく血中のアルカリホスファターゼ(ALP)が基準値を満たしていたためか、あるいはもしかしたら同じ亜鉛含有酵素である乳酸脱水素酵素LDH)が基準値を上回っていたためだと思われる。

しかし、この二つの値の推移を見ると、LDHが基準値内に入ってくるにつれてALPの値が上がってくるのが解る。そして甲状腺刺激ホルモンがHighからLowになって甲状腺機能が少し亢進した時点で、二つの値は逆転してALPがLDHを上回っていたことが、今回新たに解った。

「乳酸脱水素酵素LDH)の値が高い」ということが、「乳酸が分解されて体内の乳酸が少ない」ということには必ずしもつながらないのである。乳酸脱水素酵素が基準値を超えて高くても「乳酸産生増大」となっている可能性がある、と言える。

若い頃アルカリに傾いていた夫の体は、甲状腺の薬を飲み続けて亜鉛を排出したためにアシドーシスに傾いてしまっていたのだ。そして、アシドーシスで起こってくる病気になったのである。「腎不全」、「乳酸産生増大」、「呼吸器疾患(喘息のような咳が続いた)」、そして前回は「糖尿病」も併発しかけていた。


それにしても、名前を付けるというのは難しい行為だと思う。「乳酸脱水素酵素」という名前もどうにかならないものかと思うが、ナイアシンの酸化型、還元型も紛らわしいように思う。還元型と呼ばれる「NADH」は、水素をくっつけて自分自身は酸化されているのではないか?と思うのだが・・違うのだろうか?