風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)とがんの関係?(つけ足しあり)

以下の内容は私の思考過程のものであり、間違いがあるかも知れません。

ウィキペディアの「スーパーオキシドジスムターゼ」の項には、「がん細胞では活性酸素が高頻度に産生されており、SODの阻害に感受性を示す場合があるため、抗がん剤の標的として研究が行われている」と記されている。
これはどういうことか?
スーパーオキシドジスムターゼは活性酸素を消去するものである。が、活性酸素はスーパーオキシドジスムターゼによって消去されることで、その一部が新たな活性酸素として生み出される。

溝口徹=『「脳の栄養不足」が老化を早める!』によると、この活性酸素は最終的にβカロテン、ビタミンC、ビタミンEによって消去されるとして、これに関わる栄養素としてコエンザイムQ10があげられている。

これらのことを考えると、活性酸素を消去するスーパーオキシドジスムターゼであるが、スーパーオキシドジスムターゼの段階で留まっていては細胞を傷害するということが言えるように思う。がんになると痩せていく場合があるのは、ここに関連しているのではないかと思われる。
抗酸化作用のあるスーパーオキシドジスムターゼが体内に増えすぎると体はアルカリに傾くのではないだろうか?体内がアルカリに傾き皮膚が弱酸性の場合に毒素が排出されると聞くが、スーパーオキシドジスムターゼが体内に増えすぎた場合にも排出能力が高まり、食べても食べても痩せていくという状態に陥るように思われる。

細胞質には、「活性中心に銅(II)イオンと亜鉛(II)イオン(Cu, ZnSOD)」を持ったスーパーオキシドジスムターゼが多く局在しており、「銅および亜鉛は6個のヒスチジンと1個アスパラギン酸側鎖に配位しており、1つのヒスチジンは2つの金属原子の間で共有されている」(ウィキペディアと記されている。

ココアには、亜鉛と銅が多く含有されている。アスパラギン酸も多い。このココアにヒスチジン亜鉛の多い肉類を合わせるとスーパーオキシドジスムターゼが大量に造られるのではないかと思われる。

私が陽に当たりすぎて眩暈を起こした時、二日ばかりココアを飲んで治ったのは、スーパーオキシドジスムターゼによって活性酸素が除去されたためだろう。しかし、そういった場合でない時に、このスーパーオキシドジスムターゼが大量に造られるなら、逆に細胞を傷害することになるのではないだろうか。

また、チョコレートなどのように、糖質と一緒に摂ることの問題もあるように思われる。

 …SODは活性中心に銅を含んでいる。糖化したSODは、その構造が失われてしまうため、中心におさまっていた銅が表面に出てくる。表面に出てきてしまった銅は、イオンとして存在し、次々とフリーラジカルを産生し続けるフェトン反応の引き金になってしまうのだ。
 つまり、活性酸素を消去するはずの酵素が糖化することによって、大量の活性酸素がつくり出される悪循環を引き起こしてしまうのであるーここに糖化の怖さがある(溝口徹=『「脳の栄養不足」が老化を早める!』(青春出版社)より抜粋)

銅を摂りすぎることの問題が一方にあり、また、亜鉛を摂りすぎることにも問題があるだろう。

亜鉛摂取の過不足がアレルギーにもがん細胞にも影響を与えていると考えられる。

亜鉛の機能と健康』には、「ZnT5遺伝子欠損マウスは雌雄ともに体重減少を示し、雄では不整脈や突然死を起こすと報告されている。また、ZnT5/ZnT6/ZnT7遺伝子が欠損した細胞では、亜鉛要求性の酵素であるアルカリホスファターゼの活性が低」いと書かれ、さらに「ZnT5遺伝子欠損マウスでは、…、アレルギー性接触皮膚炎が緩和されると考えられた」と報告されている。

亜鉛はあらゆる場で働いていると思われるが、ここから考えられるのは、免疫反応で働かされすぎる時には抗酸化で働くことができず、抗酸化で働きすぎる時には免疫機能が衰えるということではないだろうか。
同じく亜鉛の機能と健康』の第2章「亜鉛補充療法」に「フリーラジカルのひとつであるスーパーオキシドが血管拡張物質である一酸化窒素(NO)と結合し血圧を上昇させる」と記されていることから、ZnT5(亜鉛トランスポーター5)がスーパーオキシドジスムターゼに関係して抗酸化に関わっていると考えられる。ZnT5欠損でスーパーオキシドジスムターゼが造られず、不整脈や突然死を起こすと思われる。
亜鉛は遺伝子合成にも深く関わっている。

またこの章の終わりには以下のようにも記されている。

また、亜鉛欠乏が喘息発作のリスク因子のひとつであると同定しているグループや小児喘息患者においてリンパ球におけるZIP2遺伝子の発現が亢進しているといった報告もあり、亜鉛とアレルギー病態の関係が指摘されている(『亜鉛の機能と健康』「第9章アレルギー反応における亜鉛/亜鉛トランスポーターの役割」より抜粋)
一つ一つの栄養素は、他にどの栄養素と一緒に摂るか、その栄養素との割合がどうかといったことで働き方が違ってくると考えられる。サプリメントだけ摂って生きているのでなければ、摂取した全ての食物がその働きに関与しているということである。食品一つ一つが持つ栄養素と、組み合わせによってどうなるかを考えなくてはならないだろう。

 最近、がんの発症と亜鉛代謝が密接に関連することが多くの論文で論じられるようになってきた。例えば、亜鉛トランスポーターの発現制御の破綻が、細胞内の亜鉛ホメオスタシスを変化させ、膵臓がんや肝臓がんを増悪させている可能性を示すデータが数多く報告されている。さらに亜鉛トランスポーターが動員した亜鉛が、マトリックスメタプロテアーゼや炭酸脱水酵素などがんの増殖や浸潤転移と密接に関連する亜鉛酵素の活性を増強させることが予想されている。(『亜鉛の機能と健康』「終章今後の展望」より抜粋)