子どもの頃、私は算数が苦手だったが、小学校の教員となって教えた中では算数の授業が一番楽しかった。ここにその授業の記録の一つを残しておこう。
その頃の小学3年生の一年間の算数学習の流れは、「重さ」から分数の学習を経て小数だったと記憶しているが、私は「重さ」の学習から小数の学習へと入った。
「重さ」の学習では、運動場にあるシーソーを使った私の体重当てから始めた。9月に測定した子ども達の体重をもとにして、誰と誰との組み合わせがシーソーで私とつり合うかを予測させ、実際にやってみる。ヒントは、私の体重は40kgから50kgの間。
こんな風にして重さの授業が終盤を迎えた頃、小数を導入する。
子ども達に次のような宿題を出しておく
ティッシュ5まいの重さをはかると4gでした。ティッシュ1まいの重さは何gですか?
子ども8人のクラスだが、中にはくもん塾で、すでに少数の計算を習っている子どももいる。その子に黒板で計算をしてもらう。ここで、0,8gという答が出た。ここから授業は始まる。
本物のティッシュ5枚と、一枚を1gの分銅に見立てた折り紙を4枚用意する。ティッシュはちぎってはいけない。折り紙は切って良いが、切る前にどのように切るかを説明するようにと言って、しばらく待つ。
「半分に切る」と言う子が一人、もう一人は「10に切る」と言うので、「では先ず、少ない数から切ってみよう」と言って、その前に折り紙を不等分に切ってみせて「こういう切り方で良いか?」尋ねると、全員「ダメだ」と言う。「では、どういう風に切ればよいか」と尋ねると、「同じ(大きさになる)ように、まん中で(折って)切る」と答えてくれた子どもがいた。これは簡単なことのようでとても大事な点である。
こんなことに気をつけながら、それぞれに作業を始めさせる。5枚のティッシュの前に重さを表す折り紙が等分に置かれれば良いのだ。一枚のティッシュの前に置かれるべき折り紙の示す重さは0,8である。
途中、難航する中、ノートに図を書きつけて考えている子に「どうすればいいと思う?」と尋ねると、「残った3つを5つずつに切れば良い」と答えてくれた。その指令に従ってそれぞれ作業を続行し、重さを表す折り紙を等分に分けることが出来た。
ここで一人の女の子が、「これが8だというのは分かるけど、0,8だというのは分からない」という意見を出した。しかし、ほんの少し間を置いて、分からないと言ったその子自ら答を出して、皆に説明した。
そして最終的に、最初に折り紙を「10に切る」と一人の子どもが言った通りに、「10に切る」ことで解決されたのだった。
最後に、それぞれのティッシュの前に置かれた重さの折り紙を「0,1、0,2、…0,8」と高らかに数え上げてこの日の授業は終了した。
これが、教員生活最後の一年の、私が子ども達に楽しませて貰った算数の授業だ。本当に楽しかった!
今日の『一首鑑賞』は面白い。しっかし野菜の高騰は半端無い!行商白菜小さめ二つで250円、大きめ一つで300円。小さめ二つの方が大きいじゃないですか?と言うと、考えてきたんだけど・・と言う。いや私は怒ってるわけじゃなくて、それだと安くて大きい方を私は買うよと言ってるだけなんだけど・・。
— メロメロピー (@syodainekosuke) 2018年2月7日