風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

アロマセラピーと高血圧と腎臓

 腎臓は体の肝要ないくつかのプロセスにかかわっています。それらには、血液から毒性の老廃物をこしとり、それを体から尿のなかに排出し、血液のなかのカリウムとナトリウムのバランスを保ち、体内の体液の量を調節することが含まれます。こうした機能のどれかが故障すると、体のなかに毒物が蓄積され、生命が脅かされることになります。腎臓はまた、血流から水分をとることによって血圧の調節を助け、赤血球の生産にも役立ちます。腎臓は一対になった、インゲンマメ型の器官で、体の背部の脊柱の両側にあり、下部の肋骨に保護されています。一対の腎臓は、尿管という2本の管で膀胱とつながっています。尿管は、腎臓で生産された尿を膀胱に運びます。
 精油類は腎臓に深甚な影響をおよぼします。それは、精油類は血流に入って体を循環し、体内の全部の血液は1時間に2度、腎臓を通過するからです。精油を経口的に摂取する危険な習慣はもとより、皮膚に過量の精油を適用することも(精油は皮膚を通ってきわめて急速に血流のなかに吸収されます)、腎臓に過度の負担をかけ、腎臓に傷害を与えます。
 腎臓に有益な精油類も同じ方法で腎臓に到達します。しかし、私たちは使用する精油の量に注意し、この本全体に書いてある割合、方式および分量を守ることが必要なのは明らかです。(略)しかし、私たちはこれらの病気をアロマテラピーだけで治療するようにすべきだとは、あまり強硬に主張することはできません。(略)
 利尿作用のある精油類は、尿量を増大させますので、体液が滞留しているときや、体から大量の毒性の老廃物を排出する必要があるときに薬に立ちます。しかし、この精油類は、注意して使用することです。そして、決して長期間使ってはいけません。利尿剤に頼りすぎると、急いでなおさなければならない腎臓の重大な症状が隠されてしまうばかりか、人為的に尿の量をふやすと、体液のバランスを保ち、カリウム/ナトリウムのバランスを維持するなどのメカニズムが妨げられて危険です。(パトリシア・デービス=著『アロマテラピー事典』(フレグランスジャーナル社)、「腎臓」の項目より抜粋引用)

アロマセラピーで検索をかけると、血圧を下げる精油は多く見つかるかも知れない。しかし、血圧を下げるためにアロマオイルを頻用して腎臓に負担をかけるということが起こってくる可能性がある。世の中にアロマセラピーが広まって、精油も手軽に入手できる時代になったのだが、高血圧に限らず、アロマオイルだけで病気を治療しようとすることの危険性をしっかり解っていなければならない、と思う。そのためにアロマセラピストは、資格取得の過程で解剖生理学から栄養学までを学ぶことになっている。

私は、一昨年、心不全で入院した夫の腎臓が弱っていると解ってから、アロマオイルは一切使用していない。芳香浴もしていない。また、サプリメントなども飲まさないようにしている。

しかし、今や日本はほとんどの人間が高血圧と診断される社会になっているのではないだろうか?他の病気で病院にかかっても、血圧でひっかかって薬を飲む生活が始まったり、他の病気でありながら、最後まで血圧が問題となって降圧剤だけは飲み続けなければならなくなったり、というふうではないかと思う。血圧の数値は、患者を、魚のようにすなどるための大きな網になっているように思う。