風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

「主があなたと共におられます」ルカによる福音書1:28(待降節にした日曜学校でのお話)

ルカによる福音書1:26~38からの日曜学校説教

今日からアドヴェントに入ります。アドヴェントはクリスマスを楽しみに待つ時です。
クリスマスは誰がお生まれになった時でしたか?そう、イエス様ですね。
今日は、「イエス様があなたから生まれますよ」と、天使がマリアさんに告げに来た時のお話です。

天使ガブリエルはナザレというガリラヤの町に神様から遣わされてやって来ました。ダビデの家のヨセフという人と結婚の約束をしていたマリアさんの所にやってきたのです。

天使はマリアさんの所に来て言いました。「恵まれた人よ、喜びなさい。神様があなたと共におられます」。

いったい何が起こるんだろうとマリアさんが不安に思っていると、天使は続けて、こう言いました。「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。あなたは身ごもって男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。その子は偉大な人になり、いと高き方の子と言われる」。

それを聞いてマリアさんは「どのようにして、そうなるのでしょう。私は男の人を知りませんのに」と言いました。

いくら神様がなさることだといっても、「赤ん坊が生まれる」なんて誰にも信じてもらえないとマリアさんは思っただろうと思います。特にこれから結婚しようとしているヨセフさんにはとても信じてもらえそうにありません。ヨセフさんに信じてもらえそうにないこのお知らせは、マリアさんをとても不安にしただろうと思います。

すると天使はマリアさんの問いかけに答えて言いました。聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。神には出来ないことは何一つない」と。

 

私達人間には神様のなさることが納得出来ないと思える場面が聖書にはたくさん出てきます。

エス様はマリアさんの子どもとして生まれて下さいましたが、マリアさんより先に十字架につけられて死んでしまいますね。この時、マリアさんはイエス様が十字架につけられて死ぬということは知りませんでした。でも、もし知っていたら自分がイエス様の代わりになりたいと思ったかもしれません。

けれども、それは出来ないのですね。私達の罪を贖うために十字架上で死ぬのは神の子であるイエス様でなければ出来ないことでした。いくら母親のマリアさんであっても代わることは出来ないのです。

親にとっては、子どもが先に死んでしまうことほど悲しいことはないだろうと思います。特に自分のおなかの中で子どもを育てた母親にとっては、そんなことはとても耐えられないことです。

それなのに天使ガブリエルはマリアさんに向かって「恵まれた人よ、喜びなさい」と呼びかけました。

 

私達には神様のなさることが納得出来ないと思うことがたくさんあります。私達の人生においても、納得できなくて苦しんだり、神様を信じられなくなることがしばしばあります。

エス様は十字架の上で死なれましたが、その死に打ち勝って、蘇られました。神様はイエス様を十字架にかけることで私達を罪と死から救い出して下さいました。その救いはマリアさんのためでもありました。けれど、この時、マリアさんはそういうことを何も知りませんでした。将来イエス様が十字架で死ぬということも。そのことによって全ての人に救いが与えられるということも。これから先、母親である自分が子どもが死ぬことでどれほど苦しい思いをするかということも。そして、その死によって自分も罪から救われるのだということも、何も知りませんでした。

けれど、マリアさんはこの時「私は主のはしためです。お言葉通りこの身になりますように」と応えました。

マリアさんが苦しみと悲しみの中で用いられて、私達のために十字架につかれたイエス様がこの世に来て下さいました。そのクリスマスがもうすぐやってきます。

 

祈り

神様、あなたは時に私達を苦しい務めに用いられます。けれど、私達が苦しみの中にいる時、あなたがいつも傍に居て下さり、聖霊によって守り包んでいて下さることを覚えていることができますように。この祈りをイエス様の御名によって祈ります。アーメン。