風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

含硫アミノ酸メチオニン

以下の内容は私の思考過程のものであり、間違いが含まれているかも知れません。

体内では、ヒスタミン血中濃度を下げる作用をします。(中村丁次=監修『栄養成分バイブル』)

上記は、『栄養成分バイブル』の「メチオニンの項に記載されている事柄である。

娘がこちらに帰って来ることになった時、メチオニン食材でアトピー対策をしようと考えていたが、その頃はまだアミノ酸の成分表も出ておらず、情報も少なかったために考えなくなっていた。今回、含硫アミノ酸について考えていて、もう一度メチオニンに戻った。

銅タンパク質のタイプ1は、「2つのヒスチジンと1つのシステインが平面的に強く配位し、また、軸位からメチオニンが弱く配位してゆがんだ四面体型構造をとっている」(ウィキペディアと記されている。
メチオニンを摂るとヒスタミン血中濃度を下げる」(『栄養成分バイブル』)というのは、ここ(「2つのヒスチジンと1つのシステインが…、軸位からメチオニンが弱く配位して…」)に関連しているのではないか?と考えた。
タイプ1銅タンパク質が造られるためには、銅、システインヒスチジンメチオニンが必要だということだ。メチオニンを摂ることでヒスチジンを使うタイプ1銅タンパク質が造られ、それによってヒスチジンヒスタミンに変換されない、と考えられる。
この、タイプ1銅タンパク質からなる酵素がどういう働きをしているのか、私自身はまだ理解できていないのだが、ここまでのところをメモしておこうと思う。

一方、メチオニンについて「不足すると、尿をつくる能力が衰えてむくみを生じます。」(『栄養成分バイブル』「メチオニン」)とも記されている。これは、細胞膜を構成するレシチンの材料となるコリンの生成にメチオニンが関わっているためではないか、と思われる。

含硫アミノ酸であるシステイン(シスチン)、タウリンもこのメチオニンから変換されてくるようである。
アミノ酸の成分が表示された食品成分表にはメチオニンとシスチン(システイン)のそれぞれの含有量と、それらの合計が記されている。つまり食品によって、同じ含硫アミノ酸でも含有している成分が違うということである。タウリンの表示はない。
例えば、タウリンが多いとされる牡蠣等は、比較的メチオニン、シスチンの含有が少ない。これは、牡蠣ではメチオニン、シスチンがタウリンに変換されてしまっているということではないかと思う。

このメチオニンとシスチンの含有比が大事なのではないかと、私は考えている。
銅とヒスチジンが多く、シスチンに対してメチオニンが少ない場合、上記に記したタイプ1銅タンパク質を造るほうにメチオニンが使われて、細胞膜を造るなどの働きができなくなる、と思われる。

皮膚の表皮でも細胞膜は造られなくてはならない(わざわざそんなことを書くなんておかしいと思われるかも知れないが、これは自分自身への確認のため)。たとえば、表皮の一番上の角質層は、「ケラチンは硫黄を含むたん白質で、化学的・物理的に極めて抵抗性が強く、外界からの侵入や内部の水分漏出を防ぐ。角質層には天然保湿因子があって、角質細胞間の水分を約20%に保っている」(『目でみるからだのメカニズム』)と記されている。ここに記されている「硫黄を含むたん白質」がメチオニンなのかシスチンなのかは定かではないが、角質層でさえ細胞が存在し細胞膜が造られているということである。そして、この皮膚細胞のたんぱく質合成に関わって亜鉛が働いているだろう。
また、表皮の下から2番目にある有棘層には、「組織液が流れて栄養をつかさどり、また、知覚神経が本層まで分布」(『目でみるからだのメカニズム』)している。
娘に詳しく状態を聞いていると、日々違っていることがわかる。腫れているけれども痒みは少ない、痒みは少ないけれども組織液が出る等。また、顔だけでなく指の関節が切れるということもある。顔の痒みは少ないけれども指が痒い、という場合もある、と言う。
これらのことを聞いていて思ったのが、「組織液が出る」というのは「メチオニンよりシスチン含有の高い物を摂った時ではないか」ということだった。

冬に、牡蠣を続けて食べた後に組織液が出て酷い状態になった。牡蠣に問題があったと思っていたのだが、その頃娘はココアを作って頻繁に飲んでいたのだった。
ココアはシスチン含有が高く、メチオニンとの比率においてもメチオニンを上回っている。そして牡蠣もココアも銅の含有量が高い。
銅の摂取が多くシスチンが多い場合に、メチオニンがタイプ1銅たんぱく質を造るのに使われて、その他の働きが出来なくなるということではないかと思える。

今回は、「腫れていても組織液が出ないと精神的に楽」と言っていたのが、お麩を食べた日の後「この頃ちょっと組織液が滲み始めてきた」と言うので、お麩かも知れないと思い調べた。
麩というのは、娘がアトピー性皮膚炎だと分かった頃、あらゆる動物性蛋白質が食べられない場合に代替食品として摂ることが勧められていた食品なのだ。ところがこの小麦たんぱくで造られているグルテンが良くないと言われ始めているのである。
麩はメチオニンに比べてシスチン含有が高く、しかも多く含まれている。


体内にビタミンB6、B12、葉酸がある時、メチオニンシステインに変換して皮膚を形成すると説明しているサイトを見つけた。これらのビタミンB群が欠乏している場合、メチオニンを摂りすぎるとホモシステインが増えすぎてLDLコレステロールと結合して動脈硬化を起こすと記されている。
   ↓
● ビタミン・ミネラルの泉

まだ、色々関連事項を調べている途中で、しかも結果が出ているわけではない。仮説を立てて進もうとしている段階である。が、興味深い研究発表があるので、それをリンクさせて頂いて、予告としようと思う。

● 抗酸化物質
その結果、ビタミンA、レチナール、α-トコフェロール、ケルセチンおよびN-アセチルシステイン銅(II)イオン存在下で塩基特異性を有するDNA損傷を来すことが明らかとなった。…。
以上の結果より、抗酸化物質は 酸化抑制作用のみならず、ある条件下では酸化促進作用を示し、DNA損傷性を有することが明らかとなった。(抜粋引用)

しかし、日焼けから皮膚を守るためには、メラニン色素を造るために銅(タイプ3銅タンパク質)は必要である。また、活性酸素消去酵素生成のためにも、銅、亜鉛、鉄、その他諸々の栄養素は必要である。
シスチン(システイン)は「体内で代謝されるとイオウを出し、ほかの物質と反応して解毒作用をするのです。銅などの有毒金属や、喫煙、飲酒などによって生じるフリーラジカル活性酸素。細胞を傷つけ、病気を引き起こす)から、からだを守ります」(『栄養成分バイブル』)と記されているのだが、ここでも比率が問題になるのだと思われる。