夏の夜や湯上がりに聞く木菟の声
夜の九時前後、裏山で、五月の終わりから六月にかけて、毎日のように梟だか木菟だかが鳴いていた。
フクロウやミミズクは冬の季語になっている。歳時記には、「冬の夜にこの鳥の声を聞くと、凄惨な感じを受けるというので、冬季になっているが、本来は無季の鳥」と書かれている。
こういうのを読むと、勝手に決めるなー、と言いたくなる。凄惨な?この声、和むでしょ!
夏至のよる一羽のみみづくめざめゐて人ねむるうすき闇を支へゐし 葛原妙子 『朱霊』
夏至のそら明るきに雨降りてをり膝の上なる寒き空間