風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

芳賀言太郎のエッセイ「El Camino(エル・カミーノ) 僕が歩いたサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路1600km」第25回

「El Camino(エル・カミーノ) 僕が歩いたサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路1600km」第25回

第25話 鉄の十字架を越えて 〜中世の巡礼を体感する〜

 アストルガから先は峠越えが待っている。イラゴ(Irago)峠は別名「マーキュリーの丘」とも呼ばれ、標高1530mの巡礼路の最高到達地点である。この峠は夏でも霧に覆われ、天候が激変する難所である。
 巡礼路沿いに小さな教会がある。入り口部分の庇は巡礼者の日除けと雨宿りのためだろう。ベンチも置かれている。横には水道があり、巡礼者の水筒を満たしてくれる配慮がある。モニュメントには各国の言葉で「信仰は健康の泉」と書かれていた。

(写真2枚、略)

 アストルガ以降、アルベルゲや巡礼者向けのバルが増えているように感じる。アストルガからスタートする巡礼者が多いのだろう。アストルガからサンティア ゴ・デ・コンポステーラまでは徒歩で約2週間の行程である。このぐらいがちょうど良いのかもしれないと思う。体力の問題もあるだろうし、巡礼の前後を含めて考えると、夏のバカンスや休暇などを使っても、巡礼そのものは2週間ぐらいがヨーロッパでも限度なのだろう。

(写真等、略)(写真の犬がかわいい。ミルトス

 ラバナル・デル・カミーノに着いた。ここは人口50人ほどの村である。この先から本格的にイラゴ峠越えになるため、ここで一泊し、明日に備える巡礼者も多い。

(中略)

 フォン・セバドン、ここはかつて人の住まない廃村であり、野犬の多い難所として知られていた。今でもところどころに打ち捨てられたままの民家が残る。場所によっては廃墟のような様相を呈し、寂しい集落ではあるが、現在は巡礼者が増加したことにより、バルやアルベルゲが出来つつある。巡礼によって経済的に 回復し、村や町が復活する顕著な例であろう。

(写真2枚、略)

 フォン・セバドンを過ぎると、標高1530mのイラゴ(Irago)峠越えとなる。巡礼路の最高標高地点であり、夏でも霧に覆われる難所である。別名 「マーキュリーの丘」と呼ばれるが、これはキリスト教が伝えられる以前、ローマ神話で商人・旅人の守護神とされたメルリウス(英語読みでマーキュリー)が ここに奉られていたことに由来する。(抜粋引用)

(水も電気もないアルベルゲでの様子など、後半大幅に略しています。リンク先で直接お読みください。ミルトス)