静寂深し砧の音さへ聞こえよう
暑いから寒いに変わって、こんな寒さの時は何を着ていたのだろうと考え込んでしまう。
そんな私の耳に聞こえてくるのは琴の音。
五段砧、砧、遠砧。箏曲には砧の音を表したものが多くある。
琴と言えば、八木重吉にこんな詩もあった。
素朴な琴
この明るさのなかへ
ひとつの素朴な琴をおけば
秋の美しさに耐えかね(て)
琴はしずかに鳴りいだすだろう
秋から冬へ物思わする季節は深まる。
撫でぬまま抱きやらぬまま消えゆきしお前をこの手が抱きたしと云ふ
こんな夜は