納得できなければ梃子でも動かないというところがあるので、一つの物が何にでも効くというような広告にはあまり乗らない方だと思うけれど、「冷え性が原因の高血圧に効果てきめん！しょうが紅茶で血圧改善 石原新菜」という記事が載っていたので、14人の有名ドクターが血圧を下げる方法を伝授するという宝島社のMOOK本を買って来た。
夫が退院してすぐの頃、急に暑くなったのと、病院では室温を一定に保っていたということもあって、朝からエアコンをつけていた。けれど、台所と一体型のリビングで朝からエアコンをつけられると、私の方が具合が悪くなる。それで、エアコンを入れるのは夕方からにしてもらったのだった。
エアコンをつけていた頃、朝食でカレースープを飲んで血流が良くなったためか高めだった血圧が下がったということがあったので、その後も唐辛子のスープを作ったりした。ところがこの時は、食後の血圧が逆にぐんと上がってしまった。
札幌時代に、（三浦綾子さんと幼なじみだという）漢方薬局を営んでおられる教会員の方がいらした。この方から、「葛根湯は熱が上がってから飲むと逆に具合が悪くなるから気をつけなくてはいけない」とお聞きしたことがあった。それと同じことではないだろうかと思える。摂るタイミングというものがあるのだ。
エアコンの中で体が冷えている時は、唐辛子や生姜で体を温め血流を良くすると血圧も下がるのだ。けれど、暑い中にいて体が熱を持っている時にそういった物を摂ると、ますます体が熱くなって血圧も上がってしまうということだろう。体温調節が難しい季節だと思う。
摂るタイミングということでもう一つ考えているのは、朝食で摂るのか昼食で摂るのか夕食で摂るのかということだ。食事の影響が血圧にどれだけ出るのかを分析するために、朝と夜だけでなく、毎食後にも血圧を測るようにしている。唐辛子などのスープを飲んだ後は血圧が上がる。けれど、そういった物をほとんど摂らなかった日の血圧を見ると、夜になるにつれて血圧が上がっているのが分かる。自律神経が乱れているので、活動に備えて朝高くなった血圧が夕方に下がって夜に向けて眠るために徐々に下がっていくというふうになっていない。長い年月、夜型の生活をしてきているのだ。
前述のMOOK本の「八田式・塩分メリハリ食」の中では、「外食や、コンビニエンスストア、スーパーなどで提供される満ち足りた食品と、快適な空間に囲まれている現代。過剰な塩分を含んだ食事を摂取するのが当たり前になっている一方、エアコンのきいた室内で発汗が抑えられ、ナトリウムを適切に排出する機会は減っているといいます。『日本人は“塩まみれ”になっている状態ですよ。…。』（八田先生）」と書かれている。
エアコンの用い方も簡単ではないだろう。気温が不安定な時期のエアコンの扱いには気をつけないといけないと思う。冷えすぎては悪いからと元々の室温や外気温を考えず高めに設定して閉め切れば、それこそ熱中症になりかねない。それに、それではエアコンを入れる意味がない。
また、一日中エアコンをつけて寒い中でいると自律神経のスイッチが入れ替わらず自律神経自体が働かなくなるように思う。
塩分に関連して、体温や室温やストレス、最終的には血圧は自律神経に関わっていると思う。
眠るためにはお風呂などに入って体温をいったん上げ、上がった体温が下がっていくにつれて眠りやすくなると聞く。それと同じことが言えるのではないだろうか。血圧も一時的に上がるかも知れないが、昼食などで少し体温を上げて発汗させるようなものを摂り、夕方から夜にかけて血圧を下げていくというのが一番良いように思える。
ところで、娘は生姜が好きだ。私はあまり生姜のものを摂りたいとは思わない。自律神経をやられているので生姜などを摂りすぎると、すぐに大汗をかいてしまう。それで夏は、ミネラルを損なって体力を消耗する。
『食べて飲んで高血圧をみるみる下げる即効ブック』（主婦の友社）に“ショウガココア”の作り方というのが載っていて、「そこで、食べ物がもつ『あたためる』作用と『冷やす』作用を科学的に検証してみました。…。それらのなかでも、体をあたためる食材として評価されたのが、ショウガとココアでした。（中略）わかったのは、ショウガの水を飲むと、ひたいや鼓膜、手の指先などの上半身の皮膚温度が上がり、ココアを飲むと、足首やつま先などの下半身の皮膚温度が上がることでした。つまり、ショウガとココアをいっしょに飲むと、上半身と下半身が同時にあたたまって、全身がポカポカになるのです」と書かれていた。
だから私はあまりショウガを摂りたいと思わないんだ、と思った。足は冷える方なのだが、といって普段からココアもそれほど飲みたいと思う方ではないのだが・・。娘はココアも大好きなのだが、それにしても、「ショウガココアは飲みたいと思わない」と言っていた。飲んでみたら美味しいと思うかも知れないが・・。
ごく普通の食事で、なんとか体調を整えていきたいものだと考える。
