風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

放射線の影響と亜鉛とアラキドン酸とロイコトリエンB4、そして植物の奇形(アレルギーの観点から)


● 安保法制の施行に反対する集会@梅田&国会前
 「みんなの暮らしに税金つかえ!!」(抜粋引用)


上記写真掲載した「ぜん息には青魚」というのは、新鮮なものに限定されるだろうと思う。干物などでは逆にヒスタミンが増加している可能性があるし、ナイアシンも多くヒスタミン値を上げてアレルギーを悪化させるだろうと思われる。また、魚油などのオメガ3脂肪酸(αリノレン酸)は酸化しやすいので新鮮であるかどうかが決定的に大事だと思う。

この本の次のページには、以下のように記されている。

 さらに、魚の油によってぜん息が即座にやわらいだという研究結果も少数ながら報告されている。ロンドンのガイズ病院では、魚の油をとったぜん息患者は、最初の呼吸の問題が起きてから二〜七時間遅れて炎症状態が起きる、いわゆる遅延ぜん息反応による呼吸の困難が少なくなっている。
(略)
 注意 アスピリンに過敏症のあるぜん息患者の場合、魚の油は気道の閉塞をより悪化させるという研究報告が一つなされている。(ジーン・カーパー=著『食事で治す本 下』(ハルキ文庫)より)

以下には、柏崎良子=著『栄養医学ガイドブック』(学研)から写真で掲載する。

この表の前のページには、「プロスタグランジンE1やE3には抗アレルギー作用や抗炎症作用があります」(『栄養医学ガイドブック』)と書かれている。リノール酸からプロスタグランジンE1に変換されるためには、第一段階で亜鉛マグネシウム、ビタミンB6が必要であり、第二段階ではナイアシン、ビオチン、ビタミンCが必要であると書かれている。

『栄養成分バイブル』には、ビタミンB6のはたらきに「抗アレルギー作用」とあり、「刺激の抑制にはたらく神経伝達物質の合成にもかかわっています」と記されている。娘のアレルギーを改善するために最初に考えていた栄養素だったのだが、この表を見てようやく納得できた。リノール酸の多い植物油を使っても、これらの栄養素を一緒に摂れば、アレルギーを抑制することができるということだ。

興味深いのは、促進要因Aと阻害要因に亜鉛が関わっていることである。殊に興味深いのが、リノール酸からアレルギーを激化させるロイコトリエン4を造るためにも、αーリノレン酸からEPADHAへと変換するためにも亜鉛が必要だという部分だ。『栄養成分バイブル』のDHAのところには「アラキドン酸の作用を抑制する」と書かれている。

阻害要因や促進要因が記されていない部分は、この本が書かれた時点では解っていなかったということだろうか?

ジーン・カーパー=著『食事で治す本 下』から先に引用した「魚の油をとったぜん息患者は、…いわゆる遅延ぜん息反応による呼吸の困難が少なくなっている」というのはどういうことだろうか?ロイコトリエンは即時型アレルギーの化学伝達物質なのに遅延型アレルギーが軽減したというのである。体内に同じ量だけの亜鉛がある場合、魚油を摂ることで、魚油と同じだけのアラキドン酸を造るために亜鉛が消費されて遅延型アレルギーに関わるTリンパ球を造るための亜鉛が不足するということだろうか?

亜鉛が不足することで免疫力が低下して風邪を引きやすくなる。風邪を引いた後、咳だけが残って治りきらないということは、亜鉛はアレルギーを抑制するためにも必要だから不足すると治りきらないということだろうか。
いずれにしても、亜鉛はアレルギー反応の鍵になる栄養素だと考えられる。カルシウムのものを摂りすぎて亜鉛の吸収が阻害されれば、ヒスタミン値は抑えられても、アレルギー症状は治りきらないということが起こってくるように思う。亜鉛は免疫反応とアレルギーにおいて決定的に重要な栄養素だと言える。

それから、

過去記事「アマニ油は体内の重金属を排出する?」でも書いたが、アマニ油などのαーリノレン酸を多く含有するオイルは体内の亜鉛や銅に影響を与えるように思われる。これまでの経験から、αーリノレン酸のオイルを摂り続けていると、私自身は口内炎が出来たり、眩暈を起こしたりした。銅がやられるとしたら、αーリノレン酸を摂り続ける事は、日光に弱い人やアトピーの人には要注意かも知れない。

やはり各栄養素間のバランスを取るということが必要なのだと思う。その時、その時の一人一人に合った加減をすることが大事なのだ。

そしてこの表でもっとも興味深いのが、「阻害要因」に記された内容である。阻害要因として、亜鉛不足、ストレス、飲酒過多、発がん性物質、細菌感染」と記されている。しかしこれらは全て亜鉛不足に繫がると言えないだろうか?ストレスによって放出される副腎皮質ホルモンによって亜鉛は排出される。細菌と闘うための免疫反応に亜鉛はもっとも必要な栄養素だと言える。体内に細菌が侵入すれば亜鉛が消費され亜鉛不足となるだろう。アルコールの摂りすぎで亜鉛は尿中に排泄される。紫外線や放射線によって造られた活性酸素除去のためのスーパーオキシドジスムターゼを造るために亜鉛が必要であるということを考えれば、発がん性物質もやはり亜鉛と関係ないとは言えない要因である。「阻害要因」のほぼ全てが亜鉛不足に繫がっていくと言えるだろう。

そして、ここからが問題なのだが、『栄養成分バイブル』には、「アラキドン酸が胎児の奇形発生を抑制することがわかっています」と書かれてあったのだ。

アラキドン酸は、…人間の体内で合成することができず、食物から摂取しなければならない必須脂肪酸のひとつに数えられています。肉、卵、魚、など動物性の脂肪に含まれますが、体内でリノール酸から合成される脂肪酸としても重要な意味をもっています。(中村丁次=監修『栄養成分バイブル』より)
植物油にはリノール酸が多い。紅花油やひまわり油等は化学処理をしてオレイン酸を多くしたものもあるが、自然のままであればリノール酸が多いだろう。


植物は土中から亜鉛を吸収し、リノール酸をアラキドン酸に変換しているのではないだろうか。亜鉛細胞分裂に関わる栄養素である。その亜鉛が土中で損なわれるか、土中から吸収した植物の中で損なわれるか消費されてしまうため、リノール酸をアラキドン酸に変換することができなくなり奇形となるのではないか、と思われる。


参考書籍:ジーン・カーパー=著『食事で治す本 下』(ハルキ文庫)
     柏崎良子=著『栄養医学ガイドブック』(学研)
     中村丁次=監修『栄養成分バイブル』(主婦と生活社