風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

グリム童話『マリアの子』と松谷みよ子の昔話から『見るなの花座敷』


今週はお天気も良く体調も良かったのだけど、「今すべき」と思うことがあったのでそちらを優先し、関電前には行かなかった。もう3週間行ってないのだが、そのうち復活すると思う。(ミルトス)
過去記事から→磁気を帯びた火山灰は原発を機能停止させる?

● 『サンダース氏の主張の本質』と『また、TPPを考えてみる(笑)』、それに『0205 再稼働反対!首相官邸前抗議』
サンダース氏は公立大学の学費無料という政策を打ち出して若者の圧倒的支持を受けていますが、自分たちの税金でそれを払うことになる年配の人もそれを応援している。余談ですが、日本だって学費の値上がりは酷いもんですno title。学費にしろ、雇用にしろ、子育てにしろ、どうして若い人が希望を持てるような政策を日本の政治家は語らないのか。選挙前に年寄りに3万円配ってる場合じゃありません。
(中略)
一方アメリカでは全米最大のロビー団体 全米商工会議所はTPPを歓迎していますが、大統領選の候補者はサンダース氏もクリントン氏も共和党の候補も殆どがTPPに反対しています。…。
そんなことより、先週 アメリカのタフツ大が、『TPPによって、実質GDPも減るし、雇用も減る、労働分配率も下がる』という試算結果を出したのが話題になっています。具体的には『2025年にはアメリカのGDPは2015年より0.54%減、雇用は448千人減、日本は0.12%減、雇用は74千人減』となっています。その理由は競争の激化で人件費が下がるからです。
(中略)
と、言うことで、今週も再稼働反対の官邸前抗議へ。
今日の午後6時の気温は10度。冷たい雨だった先週と比べるとまるで春のように温かく感じます。今日の参加者は主催者発表で900人。今日 桜島が噴火しましたが、近くの川内原発を動かしている九州電力は予知できたのかって話ですよ(笑)。(抜粋引用)

● バーニー・サンダース氏と映画『サウルの息子』と『パディントン』


上に写真で掲載したのは、以前、グリム童話『マリアの子』と『見るなの花座敷』を比較して書いたものである。

ヨブ記で、ヨブの子らが死んだのは、神がヨブをサタンの手に渡したためだった。しかし、この二つの民話においては、親にあたる者の罪の故に子(たまご)らが死んだのだということがはっきりと語られている。

『マリアの子』で示されている第一の罪は「嘘をついた」ということではない。「約束をやぶった」という罪である。しかし、この約束をやぶったという罪は、命を失わせる罪なのである。

ところが彼らはアダムで契約を破り、かしこでわたしにそむいた。(ホセア書6:7)
アダムの違反と同じような罪を犯さなかった者も、死の支配を免れなかった。(ローマ人への手紙5:14)

「いや、いかん、見てはならんというた。決して見ないと約束した」という台詞から、『見るなの花座敷』の若者にも約束をしたという自覚は一応あったようなのだが、しかし、この若者には罪の自覚が弱いようにみえる。「なんだ、これだけのことか」と若者がつぶやいたのは、座敷の中の様子を見た時点ではなく、たまごをつまみあげようとして落とし、そのたまごがぱちんと割れてしまった後なのだから。

この『見るなの花座敷』は「松谷みよ子の本」の中のものなので、松谷みよ子の再話である可能性もある。こぐま社から出ている「日本の昔話」の中の『うぐいすの里』は聞き取った場所を(山形県)と記している。これも「みるな」型の話であるが、これは『見るなの花座敷』よりもっと簡潔に語られていて、「たまごを割った」といった事柄も出ては来ない。
姉(あね)さんが、「『決して見てはいけません』といいわたして出ていった」という記述から一方的な約束のようで、番頭が約束した形跡も見られない。話の出だしからいっても、この話は約束をやぶるということより「好奇心」をテーマにした話の型なのかもしれないが、番頭の側に罪の意識は全く見られないように思われる。

他の民族については解らないが、日本人の恐ろしさは、この罪の自覚の希薄性にあるのではないかと、私は思う。それは、『マリアの子』の《マリア》のような、罪の自覚を迫るほどに強い母性の心象が日本の風土に欠落しているせいかもしれない。

『マリアの子』「子どもに語るグリムの昔話1」(こぐま社)
『見るなの花座敷』「松谷みよ子の本8昔話」(講談社
『うぐいすの里』「子どもに語る日本の昔話1」(こぐま社)

関連過去記事『さるのひとりごと』
      ↓
http://d.hatena.ne.jp/myrtus77/20140217/p1