風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

石川伸一『料理と科学のおいしい出会い』の理論から考えて、昆布で出汁をとる時はシャトルシェフを使うのが一番だと思う。


京料理の要となる昆布だしについて、大学の研究者らによる実験で「昆布のグルタミン酸を最大限に抽出するには六〇℃を保って一時間加熱するのがいい」という結果が出ました。(中略)しかし、六〇℃、一時間加熱を続けて鍋の中の温度を八五℃まで上げたら、火を消してからカツオ節を入れ、沈んだらすぐに濾すという手順のほうが、実際にはよい結果でした。よりよい方法がわかったなら、それを試したい。京都の料亭は、ためらいませんでした。(石川伸一=著『料理と科学のおいしい出会い』(化学同人)より抜粋引用)

玉露なども60℃くらいで淹れると美味しいと聞くのだが、その玉露などにもグルタミン酸が多いと昔聞いたことがあった。だから、この本のこの部分を読んだとき、これは正しいのだろうと思った。


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さて、一回目の昆布は、シャトルシェフに入れて65℃くらいまで湯温を上げたら、外鍋に入れて一時間置く。この時にとった昆布出汁では鶏のささみを茹でたりしてダブルコンソメスープにする。そうすると色々に使いまわすことができる。里芋のポタージュなどもこのスープを使って作ると塩で味付けしただけでとても美味しいスープになる。

茹でたささみは取り出してほぐして擂り胡麻、酢、醤油、マスタードなどで味付けをして一品に。


二回目は、やはりシャトルシェフに昆布を水から入れ、今度は沸騰させてから一時間外鍋に入れる。この時の出し汁は日々のお味噌汁や煮物などに使う。



三回目は、昆布を細かく切ってやはりシャトルシェフに水から入れ沸騰させて一時間外鍋に入れる。この時の出し汁もお味噌汁などで使う。


三回使った昆布はしいたけと一緒に佃煮にする。シャトルシェフで3回も煮ているので昆布はとても柔らかくなっている。佃煮なので保存が利くが、美味しすぎてあっと言う間になくなってしまう。



最近、鶏のむね肉に嵌っている。これはむね肉に片栗粉をまぶして揚げたもの。ざっと揚げて、お雑煮用の鍋に入れてお正月にはお雑煮の具にした。他には、夏ならスライスしたトマトととろけるチーズを載せてトースターで焼いてピカタ風にしても美味しい。買ってきた一口大のむね肉にさらに切り目を入れて開いて薄くする。私は、鶏肉は塩とお酒(+ローズマリー)に漬けて必ず一晩置く。これをしないと特にむね肉はパサついて美味しくない、と思う。


● 【裏ワザの裏側】鶏むね肉をもっと柔らかくするには「塩水に漬ける」が正解だった

昆布で取った一番出汁には豚のもも肉や鶏の骨付き肉などを合わせても良いかと思う。私は世の中の流行からはいつも取り残されているので、この頃になってようやく塩麹を使えるようになってきたのだが、豚のもも肉なども塩麹に漬けて一晩置いておくと柔らかくなっているように思う。