風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

考える耐力をつけるためにー「読解」という作業を通して

YouTubeで自作の短歌を自分で朗読している動画を見つけ、葛原妙子のを探しているところで、永田和宏氏の大阪大学での講演に行き当たった。それで、私の教員時代の読解力をつけるための取り組みを書いておこうと思った。

16日のブログで「読解の授業というものをしなくなっている」ということを書いたのだが、では、読解の授業というのはどういう風にすれば良いのだろうか。答がはっきりと分からない中(作者が亡くなっていれば作品の中で何を言いたかったのか尋ねることはできない。そして言葉というのは他者に何事かを伝えるためのものでありながら、伝えきれないという限界をも孕んでいる)で、どういう授業をすれば、子ども達は読解力を身につけることが出来るのだろうか。
普通、読解の授業というと、読み取ったものを発表させて意見を闘わせるというのが一般的ではないかと思う。そういったやり方で読解力を鍛えるのが一般的だ。私も自分が小学校の高学年の時は、研究発表を控えていた学校だったので、そういった方法で読解の授業を受けた。華々しく意見を闘わせる授業は研究発表などでは盛り上がって見栄えが良いのである。実際、そういった授業を徹底して受けたから、読解力を少々身につけることができたのではないかとも思う。けれど、意見を闘わせる授業というのは、基本的に一つの答があるということを前提としてそこを目指しているものだと思う。けれどまた、最初から「答などはないのだ」とか、「物語は読み手がそれぞれ自由に感じ取ればそれで良いのだ」というのでは、何も考える気にはならないだろう。それではどうしたら良いのか、ということになる。

小学校の場合は、1年生と6年生で同じような授業はできない。3,4年の頃に大きく変化するからだ。だから授業内容も方法も一つに括ることは出来ないと思われる。障害を持った子ども達の担当を離れて、私が最後に担任したのは3年生であった。ここでは、3年生のクラスで行った読解力をつけるための取り組みを書こうと思う。

何をしたのか書けば、驚かれるかも知れないくらい簡単なことである。先ず、「あらすじ」と「感想文」を毎回必ず書かせる。
それぞれが「あらすじ」をまとめる前に、主人公を中心に「誰が何をしたのか」「何が起こったのか」ということを尋ねて発表させる。もちろんその前には新しく習う漢字の学習などは済ませておくのだが(ちなみに私は漢字のテストは毎日した。そして書けなかったものは放課後残らせてその日のうちに練習させた)。
最後に感想文を書かせる。あらすじと感想文を分けてセットにすることで違いを際立たせることができる。そして感想文をまとめる過程でテーマにふれていくことになる。
これらを学級便りに載せたり、読み上げさせたりしてお互いがどういったことを書いたのかを知らせる。

この感想文の中で今でも印象に残っているものがある。『手ぶくろを買いに』の感想文で、「人間にはよい人とわるい人がいるのをしらないので、母さんぎつねが人間をこわいと思うのはあたりまえだと思う。」と書いた子がいたのだ。この感想文を学級便りに載せて、私は、「○○君は、人間はわるいと決めつけるのではなく、良いと反発するのでもなく大人っぽい目で見つめて感想をまとめています」というコメントをつけて紹介した。

この感想文は、一年に一回コンクールに出すためのものではない。そういったものに私はほとんど力を入れなかった。教科書の中に物語が出てくる度に毎回必ず書かせるのである。

教員を辞める前の最後の一年で、しかも僻地の小さな学校で一学年一クラスだったので、他クラスと歩調を合わせるなどの気を遣うこともなく、好き勝手をさせて貰った。ゆとり教育で行われた総合の学習のように、教科間の壁を取っ払った取り組みや、一週間丸ごと読書の週とか作文の週とか歌の週などというのもやった。でもこれは、今、真似してやると首になるかも?

作文の秋で面白かったのは推理作文というものだ。これは作文としての取り組みなのだが、作文を読む側にとっては読解の学習をすることになる。

さて永田和宏氏の講演だが、講演の最初で永田氏は、私が最近ブログで書いたと同じようなことを語っておられたのだった。「大学における教育を考える時に、初等中等教育でどんな教育を受けてきたかということをおさえておく必要があるだろう」と語られ、「『答は1つであり、必ず1つある』という教育に本質的な問題がある」というところから、「社会に出れば答は一つではない。答がない場合もある」というところへ繋げておられたのである。
以下、大阪大学での講演から
     ↓
https://www.youtube.com/watch?v=l8mZC4SpN6c&list=FLcFsNKZiEJUqTFZbN3I3jiQ


● ある生物学者(野原千代さん)の死
 ヤマトシジミの研究については本ブログでも、琉球大学の大瀧丈二准教授が率いる研究として紹介しましたが、この調査のきっかけは、大学院生から「ボランティアや炊き出しは他の人でもできる。私たちがやるべきことは生物への影響の調査では」という声が上がったことだったといいます。
 この進言をしたのが野原さんで、…。
(中略)
 チームは事故2ヶ月後には福島県入りし、もっとも重要な「初期被爆」を含む生物調査を始め、翌年にはその成果をNATUREなどに発表し、高く評価されたようです。しかし、「避難者の帰還」「復興」をめざす政権は、これをほうっておかなかった。そこで、文科省はすぐ、研究費カットという挙に出ています(福島第一原発事故 ヤマトシジミ奇形論文の琉球大学研究費カット 2013年6月25日 )。減額ではなく、打ち切りというから、…。
(中略)
 「(内部被曝などは)軽視できるリスクではありません。それにやり直しのきかないリスクです」(抜粋引用)

27日関電前の『げんぱつ はんたい!』スタンディング・デモは、私は、体調が悪くて欠席した。冷たい雨が降った月曜からだんだん具合が悪くなって木曜の午後には寝込んでしまったので、27日金曜は家でおとなしくしていることにした。別にデモに行って暴れ回っているわけでもないのだけど・・。風が強かったけど、みんな集まったのかな。いつも官邸前に行かれているSPYBOYさんも今週はお休みされたようだ。熱でも出されたのかなと心配していたのだけど、野暮用がお有りだったようだ。お元気そうで良かったです。(ミルトス) 



●  波高くて海上避難は中止…玄海原発の訓練、課題浮き彫り 原発廃炉で解決だろ!『へんてこ日記』へんてこさんのコメントより)
● 蛍光灯、原則生産禁止へ 20年度以降、LED普及目指す その規制の前に原発止めろよ!『へんてこ日記』へんてこさんのコメントより)