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アトピーとの闘いまとめ編(銅を見直す)


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「ステロイド剤長期服用による銅の欠乏」


『栄養成分バイブル』をちらちら捲って見ていると、「銅が不足したときあらわれる症状に、髪や皮膚の色が抜け落ちる、脱色があります」と書かれていた。アトピーの人の色白は亜鉛が多いせいだと思っていたのだが、銅不足が根底にあったのだった。もちろん、これまで纏めてきたように亜鉛メラトニンが深く関わっているのも確かだと思うが・・。
アトピーとの闘い'14−9(亜鉛と甲状腺ホルモンと眠りとその他諸々・・)
アトピーとの闘い'14−14(亜鉛と松果体とメラトニンと眠りと・・)

また、「体内でこんな作用をします」というところには、銅は「過酸化脂質を分解する酵素SODの構成成分である」と書かれていた。アトピーとの闘い'14−16(顔に症状が出る場合と足に出る場合、そしてニキビ)に書いたように、ニキビは、抗酸化に働く亜鉛が副腎皮質ホルモンによって排除されて(この部分ちょっと間違っているかも?)、出来ると思うのだが、銅が不足していてもニキビが出来やすくなるのかも知れない、と考えた。

昨年5月からの娘のアトピーの悪化で色々調べて、初め、銅不足に注目していた。ところがその後は、亜鉛の方にばかり気を取られていた。だが、やはり根本的にアトピー性皮膚炎は銅不足に起因しているのだと思う。
もちろん亜鉛が全く関係ないわけではない。亜鉛はアレルギー体質全般に関わっているように思う。亜鉛の過剰は免疫反応を暴走させるのだ。と同時に、アレルギー反応を収束へと向かわせるためにも亜鉛は必要なのである。
けれどアトピー性皮膚炎となると銅不足の方が重要であるかも知れない、と思う。何故なら、銅が皮膚の真皮の形成に関わっており、メラニン色素の産生にも関わって紫外線から皮膚を守る働きをもしているからだ。そして銅は亜鉛によって排斥されて不足し、副腎皮質ホルモンを作るためにも消費される。つまり銅は亜鉛によっても副腎皮質ホルモンの産生によっても影響を受けて、不足しがちとなる。

しばらく前に、たらこスパゲッティーを食べた翌日、娘の頰にニキビが出来たと書いた。たらこには副腎皮質ホルモンを合成する栄養素が多く含まれているので亜鉛が排斥されニキビが出来たのではないかと書いたのだが、たらこには亜鉛が比較的多く、銅との割合は38:1であった。このたらこスパゲッティーを作る時には、サワークリームを使う。それにスパゲッティーを和えるためにオリーブオイルも使う。そしてあの時にはαーリノレン酸も加えたのだった。αーリノレン酸にしても何にしても脂質なのだから、使いすぎれば、余剰となった脂質が酸化して過酸化脂質となるのではないだろうか。その上、過酸化脂質を分解する酵素の構成成分となる栄養素が足りていなければ、ニキビが出来て当たり前だといえる。たらこに銅は少ない。
一つの栄養素がどこではたらくか、あるいは使われるかは、一緒に摂る栄養素によっても変わってくるように思う。いずれにしても、この時のたらこスパゲッティーはニキビの出来やすい献立だったといえる。しかし性懲りもなく、その後もたらこスパゲッティーを作った。

自然の中にある食物には銅が多く含まれるものはあまりないように思われる。だいたい、亜鉛との割合で見ると、亜鉛の方が銅よりも多く含まれているようにみえる。
その中で、今が旬のホタルイカだけは亜鉛と銅の含有量が逆転している。ホタルイカの生では、100gあたり亜鉛が1,3mg、銅が3,42mg。茹でたものでは、亜鉛1,9mg、銅2,97mg。くん製にいたっては、亜鉛5,2mg、銅12mgまで増える。割合も1:2となる。
銅というのはメラニン色素を作る。ホタルイカは発光するので、色素や発光に関わって銅が多いのだろうかと思って調べてみたが、まだ良く解っていないようだ。1月から5月が旬ということなので、紫外線が強くなるこの時期に銅を摂っておくのは理に適っているだろうかと思い、ホタルイカ料理を作ってみた。

ホタルイカと菜の花の辛子酢味噌和え。ホタルイカ寄生虫の心配があるので生食はしない方が良いらしい。釜揚げのものを買ってきて酒蒸しにし、辛子酢味噌和えにした。
娘は元々こういった魚介類を好まない。私も牡蠣は大好きだが、ホタルイカは目玉や脚などの食感が好きになれないので、旬と言えども食べ続けられそうにない。

それに、銅もビタミンCを助けて副腎皮質ホルモンを作るので、摂りすぎれば亜鉛を駄目にしてニキビが酷くなる可能性がある。元々自然界の中で、含まれている量が微量であるということは、それほど多く摂らない方が良いということなのかもしれない。銅が不足しても「心臓血管障害による突然死のリスクが高まる」(『栄養成分バイブル』)と、書かれてはいるのだが・・。

それにしても、アトピーも酷くならず、ニキビもない綺麗な肌を作るための匙加減はなかなか微妙で難しい。けれど、薬にもサプリメントにも頼らずここまで治すことが出来たのは良かったと思う。昨年夏に、Bコンプレックスを飲むのも、娘自ら止めていた。


 この本に書かれていることも同じだが、ある健康食を実践する場合、自分の体を観察しながら、本当にこれでよいのか考える姿勢が必要だ。
 その提唱者にとっては理想的な食事法だったとしても、別の人が実践した場合、同じようにベストかどうかはわからない。一人ひとりの体が違っているからだ。
(伊藤翠=著『放射性物質から身を守る食品 内部被ばくの処方箋』(文芸社文庫)より)


参考書籍:藤原昌高=著『からだにおいしい魚の便利帳』(高橋書店
     中村丁次=監修『からだに効く栄養成分バイブル』(主婦と生活社

ところで、ツバメノートのメモ帳に栄養素をメモして買い物に携帯することにした。



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