風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

『放射性物質から身を守る食品』(伊藤翠=著)から、プロスタグランジンと痛みについて考える

娘のアトピー対策に追われている間に、夫が買ってきた放射性物質対策の本が行方不明になっていた。それが、年末の引っ越し騒動で姿を現した。

伊藤翠=著『放射性物質から身を守る食品 内部被ばくの処方箋』(文芸社文庫)

ところがこの本を読んでいると、放射性物質対策はアトピー性皮膚炎対策とも相関してくるのだった。以前から私はアトピー性皮膚炎に関連してプロスタグランジンについて調べなくてはと思いながら、出来ないでいた。


中村丁次=監修『栄養成分バイブル』によると、プロスタグランジンは、αーリノレン酸からEPADHAを経てつくられる(この脂肪酸のできる流れをn-3系列という)ものと、リノール酸からγーリノレン酸、アラキドン酸を経てつくられる(こちらの脂肪酸のできる流れを、n-6系列という)ものがあるようだ。
『栄養成分バイブル』を見ていて、アラキドン酸を多く含む食品の中に卵があることを知った。しかも、「(特に卵白)」と記載されている。卵は乳幼児の食物アレルギーにおける三大アレルゲンの一つであるが、その場合、卵白のタンパク質が問題になっていると思われてきたように思う。私自身、腸の消化吸収機能が未発達の乳幼児にとってはタンパク質は異物と見なされるためにアレルギー反応が起こるのだと理解していた。そのため成長して腸の機能が整ってくるに従ってアレルギー検査には引っかからなくなるのだ、と・・。ところが、検査には引っかからなくても摂ると反応が出るという実態があるのである。このあたりがすっきり納得できなかったのだが、炎症を促進するプロスタグランジンを生成するアラキドン酸が多いということで摂りすぎると症状が出るということなら、納得できると思ったのだった。

(脂質の一種である)コレステロールが多いのは卵黄の方だと一般に理解されていると思うが、卵白にも脂質(の一種であるアラキドン酸)が多いということを知って驚いた。卵に限らず、あらゆる食物についても一つの視点からだけ考えていては駄目なのだと思う。

ここまで書いて私にはなお不明な点がある。
γーリノレン酸リノール酸から合成されてジホモ・γーリノレン酸を経てアラキドン酸に変わると書かれているのだが、「ジホモ・γーリノレン酸は、生体調節ホルモンであるプロスタグランジン1の材料となる物質です」とも書かれている。リノール酸の項目には「アレルギー症状を進める」、αーリノレン酸の項目には「アレルギー疾患を改善する」と明らかに書かれているのだが、リノール酸から合成されるγーリノレン酸のはたらきにはアトピー性皮膚炎を予防、改善する」と書かれているのである。さらに、アラキドン酸のはたらきのところにはアトピー性皮膚炎などアレルギー症状を改善する/過剰になると症状を発症させる」(『栄養成分バイブル』)と書かれている。
昨年、亜鉛を過剰摂取することでアトピーを悪化させるということに気づいたのだが、アレルギー症状を収束させるためにも亜鉛が必要だということも知った。これと同じように脂肪酸の場合も一方向への働きだけでなく、変換されていく途上で働きが変わるということがあるだろうか、と考えた。あるいは、アラキドン酸の量によって働きが調整されているということか・・。もしくは、ジホモ・γーリノレン酸からアラキドン酸に変わることなく直接プロスタグランジン1が合成された場合には、炎症を抑制するプロスタグランジンとなる、ということだろうか・・?アラキドン酸からはプロスタグランジン2に変わると書かれている。
リノール酸を多く含んでいる物は大方が植物油なのだが、リノール酸から合成されるγーリノレン酸を多く含むのは母乳月見草油だけである。さらにジホモ・γーリノレン酸を経て合成されるアラキドン酸を多く含んでいるのは、上に記したように卵(特に卵白)と、(牛、豚、鶏の)レバーさざえ、あわびと記されている。けれど、肉や加工品に含まれているように記載されているので、こういった物を食べれば、リノール酸から合成されなくてもアラキドン酸は摂取出来るということだと考えられる。
月見草油は酸化しやすく、これを摂るのは結構難しいように思う。母乳も乳幼児でなければ摂取することはないだろう。γーリノレン酸を摂ろうと思えばリノール酸を摂取するしかないように思う。月見草油のカプセルなども売られているようだが・・?

私が参考にしている『栄養成分バイブル』は2001年の出版なので、もう少し新しいものを手に入れたいと思っているのだが、今のところ、これ以上に多岐にわたって詳しく記されているものを見つけられないでいる。

『栄養成分バイブル』には、「厚生省が1999年に発表した『第六次改定日本人の栄養所要量』では、n-6対n-3の比率は4対1が望ましいとしています。医師や研究者のなかには、n-3系列の比率をさらに高めて1対1にするべきだという人もいます」と書かれている。

参考書籍:中村丁次=監修『からだに効く栄養成分バイブル』(主婦と生活社

さて、プロスタグランジンに関して私が今、最も知りたいと思っているのは、プロスタグランジンの痛みへの作用なのである。痛みというのは、体に何らかの不具合が生じていることを伝達する役割をもっていると思う。炎症反応のはたらきはそれだけではないと思うが、働きの一部には伝達ということも含まれるように思う。そこから考えて、痛みを感知するということにプロスタグランジンが関わっているのではないかと思うのである。つまり、アレルギー体質の人は痛みや痒みに対しても敏感に反応するのではないかと考えていたのである。
痛みの原因である症状を解消しなければ痛みだけを取り除いても意味がないということもいえるかも知れない。けれど、痛みはそれ自体がストレスとなり得る。痛みを感じ続ける事で、心身共に疲弊すると思われるのである。痛みの原因を取り除けないのならば、せめて痛みを取り除く方法はないかと考えるのである。もし、炎症を抑制するαーリノレン酸を摂ることで、痛みの感受も抑えることが出来るなら・・と考えたのである。もう少し調べてみる必要がありそうだ。

自然食品のお店に1回使い切りタイプのえごま油が売られていたので、インカインチオイルの代わりに買ってきた。αーリノレン酸が豊富ということであっても、それぞれ含有成分が微妙に違っているので同じ物を使い続けるより変える方が良いように思う。



ギブスで4週間腕が動かせなくても、力を込めるイメージトレーニングを毎日続けていれば、筋力の衰えを半減できるそうです。昨日の『J Neurophysiol』誌より → http://goo.gl/KRfEKr (なんと!使わなくて衰えるのは、筋肉線維でなく、大脳皮質なのですね)池谷裕二先生のツイートより)
Google翻訳で内容を見てみると、池谷先生が短い中で的確なコメントをされていることが良く解った。
要約だから詳しい事は書いていないが、「強く筋肉が収縮するのを思い描いた」と書かれている。
筋肉の収縮というのはカルシウムイオン濃度の上昇によって引き起こされる筋線維の動きを表していると思うが、簡単に言えば収縮は力を込めた時に起きるということだろう。収縮に対して弛緩が対応するのだから。
では、「強く筋肉が収縮するのを思い描く」とは具体的にどうすることを思い描けば良いだろうか?
例えば、仰向けに寝た状態で足を上げようとイメージするというのはどうだろう?実際に上げなくてもイメージすることで筋力の減退を半減させることが出来るということなのだから。