風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

『<香り>はなぜ脳に効くのか アロマセラピーと先端医療』塩田清二=著(NHK出版新書)

塩田清二=著『<香り>はなぜ脳に効くのか アロマセラピーと先端医療』(NHK出版新書)

メディカル・アロマの勉強に力を入れ始めたセラピストの友人から勧められて、上記の本を購入した。まだ、きちんと読んでいないんだけど、なかなか良さそうだと思って見ていたところ気になる記述が出てきた。引用が大変なので以下に写真で掲載する。



上記には、ラットにおける実験ではスパイクナードの精油を与えることでパーキンソン病様の運動機能障害が防げるという報告があるが人での臨床報告はないとし、さらに「スパイクナードは神経のアセチルコリン分解酵素の働きを阻害するといわれているため、認知機能の改善に効果があるかもしれません」と書かれている。
私は、10月13日の記事で、『脳と心をあやつる物質』の表を引用して、パーキンソン病アルツハイマー病はアセチルコリンの放出において対極をなす」と書いたのであるが、この『<香り>はなぜ脳に効くか』には、スパイクナードの精油が対極をなすパーキンソン病にもアルツハイマー病にも効果があるかもしれないと書いているのである。それで、しばらく考えていた。そして、こういうことかと思った。
アロマエッセンシャルオイル精油)は植物から抽出される天然のものだが、一言で言えば有機化合物の複合体だということが出来る。
例えば私が肩こりの時に塗っている金冠堂の「キンカンに含まれるサリチル酸は、もともとは柳から抽出した物を分離したり分解したりしてつくられたものである。もちろん今は人工的に化学合成して作られるのであろうが。又、メントールなどもミント類に多く含まれる化学物質である。薬というのはそのように分離したり一つだけ単離したものをいうと思うが、キンカンは、アンモニア水とl-メントールとd-カンフルとサリチル酸とトウガラシチンキと(添加物として)朝鮮人参抽出液と(溶剤として)アルコールが合わさった物だといえる。
ところが精油というのは、検出されない物も考え合わせれば無数の化学物質を内包しているといえる。そのため一つの精油に多くの治療特性が兼ね備えられているということがいえるのだと思う。ここでは、アセチルコリンという神経伝達物質の放出において対極をなすパーキンソン病アルツハイマー病なのだが、精油というものが有機化合物の複雑な複合体である故にそのどちらにも効果が得られる可能性があるということなのだと思われる。けれど又、そのことが「偽科学である」という疑いを持たれる要因ともなっているように思われる。


以下には、生田哲=著『脳と心をあやつる物質』(講談社ブルーバックスからの引用を写真で掲載する。


ここには、ストレスによって血液ー脳関門が破られ薬剤が脳内に侵入しやすくなる可能性があるということが書かれている。
近年、「ストレスによって・・」と語られることが多いように思われる。「ストレスフルな生活をしていると癌になりやすい」とか、「ストレスでうつ病になった」とか、「アトピーはストレスで悪化する」等々。けれど、実際にストレスが心身にどう作用しているのかは解らないまま語られているように思われる。ここに掲載したものには、ストレスが心身にどのように影響しているのかという答の一端が示されているように思う。

さらに、以下には『<香り>はなぜ脳に効くのか』から写真で掲載して引用する。


ここでもストレスに関わった内容が記されている。そしてここでは、ストレス時に放出される副腎皮質ホルモン(コルチゾール)との関わりで香り成分がどのように作用するかという実験がなされている。香りを嗅いだ後に、コルチゾール・レベルが低下し、抗酸化力が上昇したということが示されている。
ここでは精油コルチゾールの低下や抗酸化力の上昇にどのように作用するのかを追究しているのであるが、私はここを読んで、このところアトピーに関連して調べた事柄へとつながっていくように思えた。コルチゾールの低下と抗酸化力の上昇は別々の二つの事象ではなく、コルチゾールが低下したために抗酸化力が上昇したと考えられると思う。コルチゾールの過剰分泌は体内の亜鉛を損なう。亜鉛は体内で抗酸化の働きをしているので、コルチゾール・レベルが下がり、亜鉛の働きが妨げられなくなったために抗酸化力が上昇したと言えるのではないかと私は考える。

様々な事柄が断片的に捉えられている段階だと思うが、これからさらに研究が進められて明らかになり断片的だったものがつながっていくのではないかと思われる。

例えば、アロマの機関誌でもアロマテラピー学雑誌』に掲載された学術論文をわかりやすく解説したものの連載が始まっているが、その最新号では、マカダミアナッツオイルを使用したメタボリックシンドローム予備群へのアプローチ」としてマカダミアナッツオイルを皮膚に塗布した後の血糖値の変化を調べたものが載せられていた。(日本アロマ環境協会機関誌(AEAJ)№73 Autumn2014より引用掲載ー関心のある方は、写真をクリックして大きな画面でご覧ください)
このように、アロマの世界においても今後、科学的な解明がさらに進められていくように思う。

ところで、最近買った目薬にメントールが入っていた。メントールなんて目に入れて良いのかと思ってしまった。使ってるんだけど・・。


● 5分でわかる特定秘密保護法