風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

「El Camino(エル・カミーノ) 僕が歩いた1600km」芳賀言太郎のエッセイ第7回

「El Camino(エル・カミーノ) 僕が歩いた1600km」第7話ピレネーを越えてスペインの道へ 〜サン・ジャン・ピエ・ド・ポーからロンセスバージェスまで〜
 岩の上の聖母マリア像の前で休憩し、歩みを進める。そして、歩き始めて15km、出発から約5時間が過ぎた頃、古い石造りの十字架があった。十字架の足下には無数の巡礼者たちが無事を祈って石を置き、祈願の布が巻かれ、黄色いラゲージタグまで巻き付けてある。まるでヒマラヤのタルチョのようであった。こういう祈りの行為は国を越えて世界共通なのだろう。そしてこのケルンの十字架から多くの巡礼者が勇気と希望を受けたに違いない。周りには見渡す限りの原野が広がり、そこには空と大地しか存在していない。その限りなく無に近い世界の向こう側へと巡礼路は続いている。
岩の上のマリア像、十字架のケルン、果てしなく続く山道(3枚の写真はリンク先でご覧下さい。)
 頂上に近づくにつれて霧がかかり視界が悪くなる。嫌な予感が漂う風景に変わってきた。毎年遭難者が出るといわれているピレネー越えはやはり天候が悪化すれば危険である。
 国境には石碑が置かれていた。柵もなければ検問所もない。当然パスポートチェックをされることはない。これがヨーロッパの国境というものかと思う。
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 「クレデンシャル」とは、巡礼手帳のことであり、自分が巡礼者であることを証明するという意味で巡礼者の「パスポート」といえる。・・。現在は巡礼路上の主な教会、観光案内所、各地の巡礼事務所などで入手でき、日本では「日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会」(サイトにはリンク先からどうぞ。)が発行しているものが入手しやすい。このクレデンシャルに氏名、国籍などを記入し、これを示すことで巡礼宿(アルベルゲ)に宿泊できるようになる。
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この聖ヤコブ教会は・・巡礼者のために建てられたものである。霧や雪の際には、この教会の鐘が鳴らされて道に迷う巡礼者を道案内したと言われ、救護院でもあった修道院と共にピレネー越えの難所を支える巡礼救護の要であった。
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 午後8時、聖マリア教会(Igresia de Santa Maria)で巡礼者のためのミサが行われた。ミサのあとに巡礼者への祝福がスペイン語、フランス語、英語と多言語によって行われた。ル・ピュイのカテドラルで受けた祝福から約40日。心を新たにして北スペインを横断する巡礼路を歩くことを意識すると、自然と気持ちも高まってくる。難所であるピレネー越えを果たし、安堵の気持ちでアルベルゲの真新しい二段ベッドの上で就寝。密度の濃いスペイン側最初の1日であった。(抜粋引用)

参考
「聖地サンティアゴ巡礼」NPO法人日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会
私が持参した日本人のための日本語で書かれた公式ガイドブックである。
初めてのサンティアゴ巡礼の際にはこのガイドブックを持参することを強くオススメする。

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● 森永純さんの写真の命 
『トリクル・ダウンの真実』と1010 再稼働反対!首相官邸前抗議!
今週ネットで発見していた『トリクル・ダウン経済(金持ちが豊かになれば、皆豊かになるという戯言)』の漫画。これは言えてるわ。(抜粋引用、漫画はリンク先に行ってご覧ください)