風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

自閉症の子どもと2

子どもが言葉を話し始める頃に、「指さし」という現象が見られるという。人差し指でどこかを差しながら、しきりに「アッ、アッ」と発声する。指さす方を大人が見ても何かあるようには思えなかったりする場合もある。指さしたもの(あるいは方向)が必ずしも重要ではないということがここから解る。これは、つまり、周りに居る者とコミュニケーションしようとする幼児の意思の現れなのである。

西村章次=著『実践と発達の診断』には、ヴィゴツキーは思考とことば(意思伝達)が交叉する時期を2歳頃としていると記されており、さらに、「真砂弘は、ヴィゴツキーのいう交叉に到るまでに、三つの小さな交差の段階があることを子どもたちの観察から明らかにした」と記されている。その「第一次交差期」を指さしの時期とした、としている。又、「森の、親へのアンケート調査からは、多くの『自閉症』児がこの『第一次交差期』の特徴を示す、発声を伴っての指さしをしないという結果が得られている」と記されている。これは、自閉症児は周りに居る者とコミュニケートしようとしないまま言葉を発するということを示している。自閉症児が記憶している言葉を独語している光景は良く見られることである。これは幼児が頭の中で考えていることを口に出しながら行動している場合とは異なる。
自閉症児の言葉の問題がこうしたところにあることを踏まえてカリキュラムを考えていかなくてはならない。


『実践と発達の診断』の巻末の診断表(これは「試案」とされているが)には、子どもが発達する途上において、先ず、「大きい、小さい」などの対照的な二つの概念を理解する段階があり、次に「大きい、中くらい、小さい」の三つの比較が出来る段階が来るとされている。通常こういった言葉は、生活の中で様々な体験をしながら言葉へと結びつけられて理解されていくと思うが、自閉症児の場合、明確に認識する過程が設定されなければならないということである。これを課題とした。

対照的な二つの概念には様々なものがあると思う。「大・小」、「長・短」、「多・少」、「軽・重」等々・・。「大・小」、「長・短」等の違いは比較的理解しやすいと思う。それは、「大きい、小さい」以外の他の条件(色や形)を揃えやすいという点にあると思われる。違いを際立たせるためには他の条件を揃えなければならない。
抽象的な様々なものを使って机上で学習し、生活の中でより般化させていくようにする。

又、感覚レベルで感じ取ることの出来るものも理解しやすいと思われる。例えば、「熱い、冷たい」など。これにはお湯と冷水を用いた。但し、火傷などには充分注意する必要がある。同じ大きさ同じ形のボウルにお湯を、あるいは冷水を用意し手を浸させ、「熱いね」あるいは「冷たいね」と言葉かけをする。(最初は、「熱い」「冷たい」と言葉をかける。「ね」は余計。理解するにつれて「ね」もつける)。
感覚レベルで理解するものとしては、「乾いている、濡れている」という言葉も取り上げた。学校にはこれに使える雑巾がたくさんあった、昔は。
ただ、自閉症児は感覚器に問題を持つ場合があるので、そのことを見極めておく必要がある。

「軽・重」については、中身の見えない同じ大きさの一方には粘土を詰め、もう一方には何も詰めない二つの箱を用意し、それぞれを持たせる。その都度、「重い」、「軽い」と言葉かけをする。
この「重い」についてはその後、土を入れたバケツを運ばせるという作業をさせ、その時に「重いね、重いね」と言葉かけをしたのだが、途中、子どもは「いやんの〜(もう嫌)!」と叫んでバケツを放り投げた。これは、「重い」等という言葉をはねのけて迸り出た素晴らしい意思伝達の言葉だった!と思う。


この、対照的な二つの概念を理解するための取り組みについては次回にも続く。


● 恥ずかしい話とちょっといい話:★0912 再稼働反対!首相官邸前抗議!
さて、ちょっと❈❈話もあった。なんと「あと10年で自民党員の9割が他界する」というのだ。衝撃のデータ「あと10年で自民党員の9割が他界する」 NEWS FILE:PRESIDENT Online - プレジデント
内容はこんな感じだ。
『現在の地域党員の平均年齢は80歳前後と思われますから、今後5年から10年もすると、結果として党員の8割、あるいは9割近くが自然減となる』、『平成3年のピーク時に全国で547万人いた自民党員が、現在はわずか78万人しかいない。すでに8割5分減、激減です』。
                    ・
少なくとも自民党員がたった78万人しかいないんだったら、原発に反対する皆で自民党へ入って党を乗っ取るという手もあるんじゃないだろうか。訳の分からない新党を作ったり、バカ揃いの既成野党に期待するより、よほど早道かもしれない。少なくとも自民党の基盤は案外もろいものだ、絶望するには当たらない。そのことだけは再認識できた。(抜粋引用)大胆な発想(ミルトス・笑)

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