風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

アトピーとの闘い'14ー3(いくつかの失敗から)


歴史的な民意憲法に体現ー歌人であり細胞生物学者である永田和宏さんインタビュー記事
学生たちにいつもいうのは、みんなが右を見ていたら一回は左を向きなさい、ということです。これはサイエンス(科学)の分野でも同じです。僕もそうですが、みんなが右を向いたら右ばかり向いてしまいやすい。だから一回は違った方を向いてみる。それは自分の頭で一回判断しようということです。(リンク記事より引用)


悪化したアトピーを治すためには何よりも睡眠リズムを整えなくてはならないのだと考えて、先ず最初に思い浮かべたのはビタミンB12だった。栄養学の本などには、このB12を大量に摂ることによって睡眠のリズムを改善すると書かれている。けれど、食品で大量に摂るのは難しい。そこでサプリメントで摂ることにしようと考えたが、ビタミンB群の栄養素は互いに協力し合って働くためか、B12だけのサプリメントというのは薬局などでも見当たらない。それでB群のサプリメントを摂らせることにした。その上に痒みがあったためにパントテン酸食材を食事でも摂らせていた。すると状態が良くなるどころか腫れてますます悪化していった。一日の必要量をサプリメントで摂った上に食事でもパントテン酸を摂っていたために過剰症を引き起こしていたのである。B群の栄養素は多く摂っても排出され蓄積されないため毎日摂る必要があると言われているが、それほど簡単ではなさそうだ。その後、娘が自分で判断してBコンプレックスを1錠だけ飲むことにしたのだが、焦ると、分かりきっているようなところも見落としてしまうものだと思う。
ところで、このビタミンB12メラトニンの脳内での働きを助け」(『ビタミン・ミネラル早わかり』)睡眠リズムを改善するようである。

もう一つは、マンガンが不足すると傷が治りにくくなるというのを見つけて、皮膚の状態を治すためにマンガンの多く含まれるアマランサスをご飯に混ぜて炊き込むようにしたのだが、食べ始めて良くなってくるどころか悪化していくように思われて調べて見た。すると、マンガンを摂りすぎると銅が排出されることが分かった。銅が不足すると痒みを引き起こすヒスタミンが体内で増え、アレルギー症状が悪化するのである。それでアマランサスは摂らさないことにした。
ビタミンB群のサプリメントを摂り始める前に、B12を食べ物で摂るようにしていた。牡蠣にはB12がとても多く含まれているのだが、牡蠣を食べさせると良くないように思えた。加熱しても生っぽいのがいけなかったのかと思っていたのだが、マンガンについて調べた時に亜鉛も銅を排出するということが分かり、牡蠣を食べた後悪化するのはそのせいであると分かった。牡蠣には亜鉛も多く含まれているのである。
「傷を修復する」とか「B12が多い」とか、良さそうな情報だけに飛びつくと他を見落としてしまう。一方向からだけ見ていると思わぬ落とし穴にはまり込むと思う。

ビタミンというのは、腸内細菌などによって体内でも微量に合成されるようだが基本的には食物で摂取する必要のある栄養素であるようだ。加えてB12などは動物性食品のみに含まれているため完全な菜食主義では欠乏する恐れがあるらしい。又、B群のサプリメントを夕方以降に飲むと、夜、眠りにくくなるように私には思える。

人体についても、栄養学においても、全てのことが分かっているわけでないというのは確かなことだ。分かっているのは、ほんの一部分に過ぎない。私たち人間はその分かっているほんの一部分に手を入れて操作しているのだ。けれど、神が造られたものの一部分に手を入れると、整えようとしながら却ってどんどん崩してしまう場合があるということを頭においておかなければ失敗するように思う。今回、いくつかの失敗からそんなことをつくづくと思わされたことだった。

参考書籍:吉川敏一=著『専門医が教えるビタミン・ミネラル早わかり』(幻冬舎