風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

寝苦しい夏の夜の夕ご飯


トリプトファンアミノ酸の一種)という栄養素がある。

中村丁次=監修『からだに効く栄養成分バイブル』には次のように書かれている。
摂取されたトリプトファンは脳に運ばれ、ビタミンB6、ナイアシンマグネシウムとともにセロトニンをつくります。セロトニンは、鎮痛、催眠、精神安定などの作用のある神経伝達物質です。脳のトリプトファンの濃度が高まればセロトニンがふえて効果が期待できるため、アメリカでは、トリプトファンは天然の催眠剤として人気があります。・・。
脳の松果体で、セロトニンメラトニンとなります。・・。メラトニンは・・。天然の睡眠薬で時差ぼけに効果があり・・。・・。
ラットによる実験で、トリプトファンは肝臓の脂肪に変化をひきおこすことがわかっています。・・。長期にわたってトリプトファンを飲み続けるのは危険だということです。・・。アミノ酸はどれかひとつだけが多いとすみやかに脳に移行しますが、高アミノ酸食、つまりいくつものアミノ酸が高値で含まれる食事をとった場合は、アミノ酸が脳へと移行するスピードがゆるやかになるのです。

ということで、トリプトファン食材を使った料理を紹介しよう。
先ず、上の写真はアボカドのカッテージチーズ和え。裏ごししていないタイプのカッテージチーズに切ってレモンをふりかけたアボカドとカボチャの種を加えて和えたもの。カボチャの種が無塩なら塩や胡椒をふりかけると良い。

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二つ目は裏ごしタイプのカッテージチーズに、オリゴ糖、バナナ、レモン果汁に漬け込んだ干しぶどうを果汁ごと、刻んだクルミを入れて和えたもの。こちらは甘い。

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三つ目は、高野豆腐の煮物。

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四つ目は、ご飯にスライスチーズを挟んで、かつお節、小ネギをのせ、お醤油をたらり〜っとまわしかけて混ぜたもの。つまり、猫まんま

トリプトファンは、牛乳、チーズ等の乳製品、高野豆腐、きな粉などの大豆製品、バナナ、アボカド、かつおなどに多く含まれるようだ。

新しく届いたAEAJ(日本アロマ環境協会)の機関誌に「睡眠とアロマテラピー」が特集されていたが、その中に、トリプトファン食材は朝食で摂ると良いように書かれてあった。だけど、私はどうだろう?と思う。私の作るこれらの料理に限らず、トリプトファンの多い食材にはカルシウムも多く含まれているように思う。カルシウムも又神経を穏やかにして眠るために良い栄養素と言われている。加えて、タンパク質が胃で多少消化されて十二指腸へと送られる時間が4〜5時間ということだから、夕方6時頃の夕食で摂取すれば十分ではないかと思う。

又、セロトニンは光の多い状態で増えて覚醒に働き、光のない夜間にメラトニンに変わって眠気を引き起こすと言われている。つまりセロトニンメラトニンは光を介して睡眠と覚醒に関わっているということのようだ。だから、夜になっても明々と灯りを点して起きていればセロトニンメラトニンに変わらないということが言える。つまりトリプトファンを沢山摂っても、明るい光の中で夜更かしをしていれば効果はないということだ。

生田哲=著『心の病は食事で治す』にはトリプトファンセロトニンに変換されるには、血液ー脳関門を通過して脳内に入ることが絶対の条件である。・・。この生理学的なハードルを越える秘策は、トリプトファンを空腹のときに果物ジュースといっしょにとることだ。果物ジュースに含まれる糖類によって血糖値が上がり、インスリンが放出される。このインスリンは、トリプトファンが血液ー脳関門を通過するのを助けるのである」と書かれている。この場合のトリプトファンサプリメントで摂る場合だと思われるが、いずれにしてもトリプトファンが脳関門を通過するためにはインスリンを放出させるための糖類(炭水化物など)と一緒に摂るのが良いようだ。ご飯と一緒に、あるいは蜂蜜やオリゴ糖などの甘味と一緒にした料理なら効率よく摂取できるということである。ただ、インスリンを放出させる」という点で、このような摂取の仕方は、糖尿病の人や糖尿病の薬を内服している人にはどうだろう?という疑問が私の中では残るが・・。