風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

おとぎ話とキリスト教

灰の水曜日に、グリム童話『灰かぶり』を・・。

ビオラ、蕾、膨らむ。 そこで娘は、朝から晩まで、つらい仕事をしなければなりませんでした。朝は日の出まえからおきて、水をはこび、火をおこし、ごはんごしらえをし、せんたくをしました。そのうえ、姉さんたちは、あの手この手を考え出して、娘をいじめた…

お婆さんが演じる『マッチ売りの少女』〔休業中のアロマセラピスト良香さんの日常№28〕

「休業中のアロマセラピスト良香さんの日常」より 「お婆さんが演じる『マッチ売りの少女』」 youtu.be 私は結局、若い頃にやりたいと思って始めたことを、形は少しずつ違うけれど、今になっても細々と続けているのだと思う。 夫は、「僕の方が少しでも先に…

アンデルセン=作『マッチ売りの少女』について

以下、昔書いた子どもの本の紹介文から『マッチ売りの少女』について クリスマスというと「マッチ売りの少女」を思い浮かべると言った友人がいます。 昨年のクリスマスに「マッチ売りの少女」を手話で表現してみました。その時は図書館から色々な訳のものを…

米津玄師『カイト』と「逃げよ!」と、それから米津様の新しいMV 『死神』

わが神、主よ、私は御もとに逃れました。(詩編7:2 聖書協会共同訳) 幸いな者、すべて主のもとに逃れる人は。(詩編2:12 聖書協会共同訳) 米津玄師の「カイト」という歌に<父は言った「逃げていい」と>という一節があって、この歌を初めて聞いた時に、こ…

グリム童話『手なし娘』とソーニャ - ドストエフスキー『罪と罰』

グリム童話に『手なし娘』という話がある。『手なし娘』のような話は日本の民話にもあるが、色々本を家に置いてきているので確認することが出来ない。 『手なし娘』というのは、相手が悪魔と気づかぬまま「金持ちにしてやろう」という口車に乗って父親が知ら…

グリム童話『森の家』と「イサクに備えられた妻リベカ」

娘が小さい頃好きだったグリム童話に『森の家』というのがある。 木こりの父親にお昼を届けに行った娘は森の中で迷い一軒の家に入る。三人娘の上二人は、動物たちには心を配らず、自分と老主人だけで飲み食いしたために寝ている間に地下室に落とされる。が、…

グリム童話「いばらの中のユダヤ人」

航跡が消えずにのこる夢を見た びるけなう、びるけなう 遥かなり 喜多昭夫 ビルケナウは遙かに遠いのだ。にもかかわらず、夢に見るのである。 アウシュヴィッツの出来事は、このようにして、私たち人類の中に残り続けるものなのかも知れない。 グリム童話の…

グリム童話『マリアの子』と松谷みよ子の昔話から『見るなの花座敷』

今週はお天気も良く体調も良かったのだけど、「今すべき」と思うことがあったのでそちらを優先し、関電前には行かなかった。もう3週間行ってないのだが、そのうち復活すると思う。(ミルトス) 過去記事から→磁気を帯びた火山灰は原発を機能停止させる?● 『…

グリム童話『死神の名付け親』からオウム真理教「空中浮遊」を考える

● 小林秀雄と田河水泡と満洲。戦争協力漫画『のらくろ』とその時代。 多くの少年達が、『のらくろ』を、「存在論的」に読んでいるうちに、満洲に夢を描き、「満洲行き」を決断したと言っていい。その結果がどうだったか?そこには、歌や漫画や、政府の宣伝と…

眠りつづける物語ー『いばらひめ』と『三年寝太郎』から

昔話の中には主人公が眠り続けるという話がある。グリム童話では『いばらひめ』がそうだし、日本では『三年寝太郎』の話がある。ブルーノ・ベッテルハイムは『いばらひめ』の類話である『眠れる森の美女』について次のように書いている。 「青年期のような人…

民話『さるのひとりごと』からー母性というもの

私は母性というものを信用していない。それは、母性が自分に属するものだからだ。自分に属するものであるから、その負の側面が実感として分かる。だから母性というものを信用していないのだ、と思う。 島根県の民話で『さるのひとりごと』という絵本がある。…

グリム童話『漁師とおかみさんの話』のイルゼビルと聖書に出てくるベルゼブル

グリム童話の『漁師とおかみさんの話』を初めて読んだ時、聖書(マタイ福音書10章、ルカ福音書11章等)の中に出てくる「ベルゼブル」を思い浮かべた。『漁師とおかみさんの話』に出てくるおかみさんがイルゼビルという名前だったからなのだ。「ベルゼブル」…

見るということー『白鳥の娘』より

● 子供を守る 守りたいですよね。● マンガ 特定秘密保護法案がとおれば、どんな社会に? マンガの写真をクリックすると大きく見られる。前に書いた昔話の紹介文。 『松谷みよ子の本8』(講談社)の中から「白鳥の娘」 今回は、とても短くて美しい日本の昔話…

『漁師とおかみさんの話』(グリム童話)と「わたしこそ神、あなたたちを慰めるもの」(イザヤ書51:21)

わたし、わたしこそ神、あなたたちを慰めるもの。なぜ、あなたは恐れるのか 死ぬべき人、草にも等しい人の子を。(イザヤ書51:12) グリム童話の中に『漁師とおかみさんの話』というのがある。貧しい漁師が浜辺でつりをしていると、ひらめがかかる。が、ひら…

『スノーホワイト』と『白雪姫』

この夏、映画『スノーホワイト』を観た。映像的には、スノーホワイト役のクリステン・スチュワートと継母役のシャーリーズ・セロンの美の競演といった感じだったが、内容的にも、グリム童話の『白雪姫』をずっと現代的にしながら深みのあるものになっていた…

グリム童話『しらみとのみ』

私の娘は、生まれてからこのかた大病というものをしたことがないが、生まれてすぐからアトピー性皮膚炎だった。寝返りを始める5ヶ月位までの間は、昼間、クーハンの中に寝かせていたが、そのクーハンの縁であんよを擦って小さいながら痒いところを引っ掻いて…